ニコンD7100は画質は際立っているがバッファ不足が顕著

dpreviewに、ニコンD7100の詳細なレビューが掲載されています。

Nikon D7100 In-Depth Review

  • 連写速度はD7000とほぼ同じで、最大5.9コマ/秒だが、常に一定ではなく、平均では5~5.5コマ/秒の間だった。連写枚数はJPEGでは100枚だが、RAW(またはRAW+JPEG)ではバッファ不足が顕著で、スローダウンするまでにわずか5-6枚しか撮影できない。スポーツや車などの速く動く被写体の決定的瞬間を捉えるなら、JPEGで撮影するのが唯一の選択肢だ。
  • フラッグシップ機から受け継いだ51点AFシステムは注目度抜群のスペックだが、動きモノ専門の写真家には、RAWで取るにはバッファサイズが少ないために、このスペックが損なわれている。しかし、JPEGのみで使うなら、間違いなくD7100は軽快なカメラだ。バッファの制限の件を別にすれば、AFシステム自体はとても良好で、合焦はキビキビとしており、動体追尾も100%ヒットするわけではないが、室内でも屋外でもかなりの数の満足できるショットが得られた。
  • ライブビュー時のコントラストAFは、他の一眼レフ同様、多くのミラーレス機に比べると非常に遅い。
  • JPEGの高感度は、標準設定ではD7100はノイズを残し、ディテールを維持する傾向があるので、最近の競合する一眼レフよりは色ノイズ・輝度ノイズが若干多い。D7100はISO3200まではシャキっとした画像が得られる。ISO6400より上では、ノイズがとても顕著になりディテールが不鮮明になる。
  • RAWの高感度は、ISO100でもかすかにノイズが見え、ISO1600では色ノイズが至るところで目に付く。ディテールが顕著に不鮮明になるISO6400までは、ディテールは見事に維持されており、ノイズもそれほど不快にはならない。RAWではノイズはAPS-Cの競合機と同程度だが、これはピクセル等倍のテストのため通常は画素数が多い機種が不利なので、D7100がノイズでEOS 7Dと同等なのは素晴らしい。
  • D7100のトーンカーブはデフォルトではD7000といくらか異なっており、ハイライトの飛び方がより穏やかだ。このことはシャドーと中間調はそのままに、ハイライトのダイナミックレンジが0.3EV増していることを意味している。トータルのJPEGのダイナミックレンジはおおまかに言って9.5EVでハイライト側は約4.5EVだ。
  • 解像力は、JPEGでもとても良好で3000LPHに近く、ローパス付きのベストの24MPセンサーの値をしのいでる。感心なことに、α77で見られたシャープネスによるハロも見られない。RAWでは更にディテールが豊富になるが、ローパス付きのD5200に比べてモアレが多い。
  • 動画は少しソフトな画質だ。自動露出とAWBで、様々な照明下で色が自然で満足の行く出力が得られる。実写ではモアレが見られたが、大部分の動画ではモアレは決して顕著ではなかった。AFは遅く迷うので、静物の記録にのみ勧められる。1.3xのクロップモードは、DXモードよりも目立ってソフトになる。
  • D7100は造りの良いエンスー向けの一眼レフだ。画質は素晴らしく、多くのカスタマイズが可能な設定へのアクセスも容易だ。動画出力と、バッファの少なさからスポーツ撮影がJPEGに限定されるのが少々残念だ。
  • 良い点: 低感度の際立った画質、標準のJPEGの設定、素晴らしい造りと良好なエルゴノミクス・使い勝手、オートホワイトバランスが優秀、正確で高速なAF、中央はF8AFに対応している、1.3クロップモード、D800に匹敵する防塵防滴、デュアルSDカードスロット、明るい場所で見やすい液晶、外部レコーダーへの非圧縮動画出力。
  • 悪い点: バッファが少なくRAWで連写が制限される、ライブビュー中のAFが遅い、ライブビューでリアルタイムで絞りが変更できない、動画の画質がとてもソフト、動画で絞りがコントロールできない、ライブビューでデータの記録中にモニタがブラックアウトする。

 

dpreviewでは最新のレビューはD5200ですが、D7100のレビューをまだ取り上げていなかったので、こちらを先に取り上げることにしました。D7100の総合スコアは85%の金賞で、これはライバルのAPS-C機だけでなくD800やα99、5D Mark III などの主要なフルサイズ機をもしのぐ高評価ですね。

D7100は画質やAF、使い勝手などはいずれも非常に高い評価となっていますが、バッファの少なさが問題のようです。これはRAWでの本格的な連写は、上位機種(D300S後継機?)で対応するという方針なのでしょうか。