シグマ18-35mm F1.8 DC HSM は際立った光学性能だがAF精度が問題

dpreview に、シグマ18-35mm F1.8 DC HSM のレビューが掲載されています。

Sigma 18-35mm F1.8 DC HSM Review

  • AFは速く基本的に静かで、概ねしっかりと合焦する。前ピンや後ピンの傾向は無かったが、開放付近の撮影では、ピントの一貫性にいくらか問題があった(どのテスト機でもF2.8より絞りを開くと、AF精度に問題が見られた)。ライブビューモードでもAFはとても良好だが、静かなシチュエーションで録画中にAFを使うと、カメラの内蔵マイクがモーター音を拾いやすい。
  • 18-35mmは開放のF1.8でさえ際立ってシャープで、広角側のズーム域(18-24mm)では、絞っても大きな改善はない。望遠側(28-35mm)では、F4に絞ると若干の改善が見られるが、それほど顕著ではない。このレンズの解像力は、F1.8のズームとしては驚きだ。
  • 倍率色収差はとても少ない。広角側ではわずかなグリーン/マゼンタの色ずれが見られ、中間域では控えめのブルー/イエローの色ずれが見られるが、煩わしくはない。望遠端では色収差は基本的に見られない。
  • 周辺光量落ちはズーム全域で開放でちょうど1.3EVで、このような大口径レンズとしては非常に少ない。F2.8まで絞ると周辺光量落ちは基本的に解消する。実写では、周辺光量落ちが問題になることはなさそうだ。
  • 歪曲は、この種のレンズで予想される値を超えておらず、まずまずよく補正されている。広角側ではタル型、望遠端では糸巻き型に変わるが、ハイエンド標準ズームレベルに過ぎない。
  • シグマの35mm F1.4と比較すると、18-35mmは少し解像力に劣るが、実写では多分差は認められないだろう。周辺光量落ちと歪曲も18-35mmが若干大きいが、色収差は小さい。35mm域は18-35mmが最も弱い焦点距離であることを念頭に置いて欲しい。
  • タムロン24-70mm F2.8 VC との比較では、シグマ18-35mmがタムロンを容易にやり込めている。
  • キヤノンEF-S17-55mm F2.8 IS との比較では、F2.8同士の絞り値でシグマ18-35mmが顕著にシャープなだけでなく、シグマがF1.8の場合でもキヤノンのF2.8よりもシャープだ。
  • シグマ18-35mmは、スタジオテストでも実写でも、高性能なシグマ35mm 1.4に近い性能だ。ズーム域は狭いが、一方で画質は断然素晴らしい。弱点は一貫性の無いAFで、このことが開放で常にシャープな結果を得ることを困難にしている。
  • 良い点: F1.8一定で非常に明るい、開放から素晴らしい光学性能、静かで高速なAF、重すぎずしっかりとした造り、USBドックと最適化ソフトが使用可能。
  • 悪い点: ズーム域が狭い、最適な結果を得るにはAFの調整(マイクロアジャスト)が必要、AFの調整(マイクロアジャスト)をしても状況が変わるとAFが一貫しない、標準ズームとしては大きい。

 

このレンズはどこのレビューでも非常に高く評価されていますが、光学性能に関してはdpreviewでも単焦点レンズ並みという文句なしの高評価となっています。ウィークポイントとしてはAF精度が指摘されていて、これはどのテスト機でも見られたということなので、開放付近の撮影ではライブビューでピントを合わせるなどの注意が必要かもしれませんね。