シグマAPO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM は画面全域でとても高解像力のレンズ

photozone に、シグマAPO 50-150mm F2.8 EX DC OS HSM のレビューが掲載されています。

Sigma AF 50-150mm f/2.8 EX DC OS HSM (DX) - Review / Test Report

  • このレンズはEXで、鏡筒の造りは非常にハイレベルだ。フォーカスリングとズームリングは若干の重さがあり、非常にスムーズに回転する。ズームリングとフォーカスリングの回転方向はキヤノンと同じで、ニッコールとは逆になる。
  • インナーフォーカスのため、レンズの全長はフォーカスやズームにかかわらず一定で、前玉も回転しない。
  • 超音波モーターによるAFは静かで非常に速く、フルタイムマニュアルフォーカスが可能だ。
  • 手ブレ補正は公称は最大4段分だが、これは少々楽観的で、実写では最大3段分の効果だ。手ブレ補正の効果は、現行のニコン70-200mm F2.8 のVR II と同レベル。
  • 歪曲は50mmで1.1%の若干のタル型、150mmでは0.3%の知覚できない糸巻き型で、大口径望遠ズームとしては、まずまずよく補正されている。
  • 周辺光量落ちは、鏡筒が大きいので小さいことを期待するかもしれないが、意外にも開放時の周辺光量落ちは少し大き目で、特に望遠端では大きい(開放で0.72EV)。いつものように、絞れば周辺光量落ちは大きく改善する。
  • 解像力は、中央はズーム全域で開放から素晴らしい値(excellent)だが、唯一、望遠端の開放時のみとても良い値(very good)に落ちる。しかし、絞れば素晴らしい値(excellent)に改善する。
  • 周辺部と隅の解像力は、ズーム全域でどの絞り値でもとても良好な値(very good)で、100mmで若干絞った際には、素晴らしい値(excellent)にさえ届く。
  • 倍率色収差は、ズームの両端ではどの絞り値でも0.8ピクセル前後、ズームの中間域では(ピークの)開放時に0.3ピクセルを少し超える値で、よく補正されている。
  • 背景のボケ味は満足のいくもので、うるさくなりやすい(ピント位置近くの)移行帯でさえ満足がいくものだ。ボケは9枚羽根の円形絞りのおかげで、どの焦点距離・絞り値でもハイライト(玉ボケ)は円形を維持している。開放付近ではハイライトはスムーズで縁取りも見られないが、残念ながらF5.6以上に絞ると縁取りが強調される。レンズのサイズが大きいので、口径食(周辺部のボケが猫の目状になる)の影響は見られない。
  • 軸上色収差(ボケの色付き)は、後ボケにグリーンの色が付くが、ごくわずかだ。F5.6以上に絞ると軸上色収差は解消する。
  • 50-150mm F2.8 は性能と大きさが印象深いレンズだ。解像力は画面全域で非常に高い。周辺光量落ちは望遠端の開放では若干目立つが、それ以外の条件では問題はない。色収差と歪曲はよく補正されている。ボケはとてもスムーズだ(絞るとうるさくなる)。造りも素晴らしく、AFもとても速い。手ブレ補正はキヤノンのISやニコンのVRII と同程度の性能だ。
  • 残念ながらこのレンズは極めて大きく、多くのAPS-C専用レンズのようなサイズ的なアドバンテージはない。画角と被写界深度はフルサイズ機+70-200mm F4と同程度ということも意識するべきだ。フルサイズ用の70-200mm F4は、必ずしも安価ではないが、シグマの50-150mm F2.8よりも小型軽量だ。それでもなお、シグマがターゲットとする狭いニッチな市場に当てはまる人には、このレンズを大いに推薦する。

 

このレンズはLensTipやSLRGearのレビューでもとても高い評価を受けていますが、今回のphotozoneでも光学性能は5点満点中4点と、かなり高い評価となっています。

50-150mm F2.8のウィークポイントとして指摘されるのは、どこのレビューでも大きさですね。このレンズは、APS-C専用レンズにもかかわらず、大きさがフルサイズ用の70-200mm F2.8 と変わらないので、確かに大柄と言われても仕方ないかもしれませんね。