オリンパスED 12-40mm F2.8 PROは開放から高解像力のレンズ

LensTip に、オリンパス「M.ZUIKO DIGITAL ED 12-40mm F2.8 PRO」のレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko Digital 12-40 mm f/2.8 ED PRO

  • ズームリングはかなりスムーズだが完璧ではなく、12mmから18mmでは軽く回転するが、18mmから40mmでは少し抵抗が大きくなる。フォーカスリングは、最短から無限遠までの回転角はおよそ180度だ。フィルター枠は回転しない。
  • 解像力テストはE-PL1のRAWファイルで行った。良像の基準レベルは44lpmm付近だ。
  • 中央の解像力は開放から非常に高く(12mmで78lpmm前後)、本当にセンセーショナルな性能だ! 広角側(12-25mm)では開放が最も解像力が高く、全く絞る必要はない(パナソニック12-35mm F2.8はF2.8からF4に絞ると改善する)。F4以上に絞ったときの性能はパナソニックよりも劣り、これは基本的にズーム全域で同じだ。40mmでも開放の解像力は基準値を上回る(45lpmm前後)が、正直に言って、非常に良いとは言いがたい。
  • 周辺部の解像力は、12-25mm域では大いに賞賛に値する。ピークの解像力はF2.8-F4で62-69lpmmに達する。40mmと他の焦点域の性能の差は、中央ほど大きくはない。40mmの解像力は開放でほぼ45lpmmで、良像レベルのボーダーラインだ。この性能は、パナソニックの35mm開放よりも若干良い。
  • (解像力テストで)オリンパス12-40mm F2.8とパナソニック12-35mm F2.8 の勝者を決めるのは難しい。オリンパスは、開放では顕著に良好で、ズーム域も若干広い。パナソニックは絞った時に若干高性能だ。
  • 軸上色収差はとてもよく補正されており、実写では全く問題ない。倍率色収差は、オリンパスはどの条件でも0.07%の低いレベルで、広角側では0.04-005%に減少する。倍率色収差は、オリンパスがパナソニックよりも若干良好だ。
  • 歪曲はJPEGでは自動補正され、12mmで1.02%(糸巻き型)、25mmで0.13%、40mmでは-0.05%で大きな問題はない。未補正のRAWでは、歪曲は12mmで-6.32%(タル型)の極めて大きな値に達する(パナソニックは-6.54%でオリンパスよりも若干大きい)。望遠側では歪曲は小さくなるが、14mmでは-5.11%(タル型)でまだ大きい。25mmでは-0.60%、40mmでは0.80%(糸巻き型)になる。
  • 周辺光量落ちは、テスト機のE-PL1ではJPEGでも自動補正されなかった。周辺光量落ちは、ピークの12mm開放では37%(-1.35EV)の大きな値だが、パナソニックの49%よりも確実に低い値だ。F4に絞ると周辺光量落ちは20%(-0.65EV)に減少し、F5.6以上では15%(-0.47EV)付近になる。
  • 逆光耐性は大きな問題はなく、太陽が画面内に入っている場合でもフレアは抑えられている。しかし、光源が画面外にある場合に光源近くの隅にグリーンのフレアが発生するのが、唯一の問題だ。
  • AFは静かでとても速い。スタジオ内のテストでは、AFでピントを外したのはE-PL1とE-M1のどちらのボディでもゼロで、とにかく確実だ。前ピンや後ピンの傾向も見られなかった。
  • パナソニック12-35mm F2.8 によって、このカテゴリの水準は極めて高くなったが、オリンパスは問題なく、これに(12-40mm F2.8で)対応している。解像力は(絞った時は)パナソニックが若干上回るが、開放ではオリンパスが若干上回る。オリンパスはパナソニックを歪曲と色収差で若干上回り、周辺光量落ちは顕著に少なく、逆光耐性もはっきりと良好だ。パナソニックはコマ収差が良好に補正されており、ボケがより素晴らしい。また、パナソニックは手ブレ補正内蔵にもかかわらず、小型軽量で、そして日本で製造されている。
  • 良い点: 大部分が金属製のしっかりした鏡筒、中央の素晴らしい画質、周辺部のとても良好な画質、色収差がよく補正されている、非点収差が穏やか、高速で静かなAF、良好な逆光耐性。
  • 悪い点: 広角端で歪曲が非常に大きい、開放でコマ収差が目立つ、広角端で周辺光量落ちが顕著。

 

オリンパスの12-40mm F2.8 は、中間域から広角側では開放から周辺部まで見事な解像力ですね。望遠端では開放時の解像力は少し低目になりますが、1段絞るとかなり改善するので、あまり問題はなさそうです。

パナソニック12-35mm F2.8との比較では、項目によって勝ったり負けたりで、全体としてはとても良いライバルという印象です。光学性能にはそれほど大きな違いはないようなので、手ブレ補正の有無や、望遠端の5mmの違い、最短撮影距離の違いなどが選択の決め手になるかもしれませんね。