ソニーE PZ 18-105mm F4 G OSS は動画用としては良好だがスチル用としては推薦できない

ePHOTOzine に、ソニーE PZ 18-105mm F4 G OSS のレビューが掲載されています。

Sony E 18-105mm f/4 PZ G OSS Lens Review

  • 鏡筒は頑丈なアルミニウムで、造りとデザインはソニーのプレミアムEマウントレンズの標準的なものだ。大きなサイズにもかかわらず、重さは427グラムでまずまず軽量だ。
  • このレンズにはビデオカメラスタイルのテレ/ワイドのズームコントロール(パワーズーム)があり、スチルよりも動画向けのように思える。パワーズームはスムーズで動画に最適だが、動作に若干の遅れがある。
  • AFはそこそこ速く、被写体に正確にロックする。フォーカスリングはスムーズで十分な重さがあり、マニュアルフォーカスは快適だ。このレンズはインナーフォーカス、インナーズームでフィルター枠は回転しない。
  • 手ブレ補正は、注意深く撮影すると手持ちで1/20秒でシャープな画像が得られる。これは、おおまかに言って3段分の効果だ。
  • 解像力は、18mmでは中央は開放から既に素晴らしい値(excellent)で、隅はとても良好(very good)だ(※隅はグラフではGoodを下回っているので間違い?)。絞ると全体に改善し、F5.6のピークでは中央は際立った値(outstanding)、隅は素晴らしい値(excellent)になる。
  • 45mmでは、開放での性能は改善し、中央は際立った値(outstanding)、隅はとても良好な値(very good)だ。F5.6でピークになり、このとき中央は際立った値(outstanding)、隅は素晴らしい値(excellent)になる。
  • 105mmでは、中央は際立った値(outstanding)を維持しているが、隅は急落し、まずまず良好な値(fairly good)にしかならない。F8に絞った時がベストの性能で、中央は際立った値(outstanding)だが、隅は良好な値(good)にギリギリ届かない。
  • 倍率色収差は、常に1ピクセルを超え、105mmでは2ピクセルさえも超える。このレベルの色収差は、周辺部のハイコントラストの部分で目に付くかもしれない。
  • 周辺光量落ちは18mmで0.98EV、105mmで0.91EVで、よく補正されている。F5.6以上に絞れば、ズーム全域で見た目に均一になる。
  • 歪曲は18mmで0.495%の糸巻き型、105mmでは7.2%の糸巻き型で、これまでに見たことがない大きさだ。テストに使用したNEX-7のJPEGでは広範囲に自動補正がかかり、これは大幅に解像力を損なう。
  • 付属のフードは非常に効果的だが、このレンズはフード無しでも、フレア耐性は極めて高く、太陽を入れてもコントラストは維持されている。
  • 価格は450ポンドで、レンズのスペックを考えると、コストパフォーマンスはとても良好に思える。
  • このレンズは明らかに動画撮影を目的としており、いくつかの光学的な問題は動画では気にならないかもしれない。実際、このレンズは動画ではとても良好だ。スチルでは、望遠端での周辺部の粗末な性能と、激しい歪曲、高レベルの色収差に注意が必要かもしれない。これらの問題点があるので、スチルを撮る人にこのレンズを推薦することは困難だ。
  • 良い点: 素晴らしい鏡筒のクオリティ、素晴らしい中央の解像力、比較的軽量、効果的な手ブレ補正。
  • 悪い点: 105mmでの隅の解像力の不足、色収差がハイレベル、105mmの歪曲が激しい。

 

解像力は望遠端では周辺部が低目で、絞っても「良い(good)」のレベルに届かないのが気になるところですが、中間域から広角側では問題なさそうです。

周辺光量落ちは良好に補正されていますが、色収差と歪曲はかなり大きく、これは明らかに自動補正を前提としているようですね。特に望遠端の歪曲7.2%は、サンプルを見ると激しく歪んでしまっていて、補正無しでは厳しいレベルという印象です。