HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4ED Limited は光学性能はとても良好だがスペックの割りに高価

ePHOTOzine にリコー(ペンタックス)の新しい標準ズーム「HD PENTAX-DA 20-40mm F2.8-4ED Limited DC WR」のレビューが掲載されています。

HD Pentax-DA 20-40mm f/2.8-4 Limited DC WR Lens Review

  • 鏡筒はハイクオリティなプラスチックと金属が使用されており、実にしっかりとした造りだ。重さはフード付きでわずか291グラムと軽量で、テストに使用したK-5 IIs とのバランスは良好だ。
  • フォーカシングはインナーフォーカスではなく、フォーカシングとズーミングで鏡筒が繰り出すが、フィルター枠は回転しない。
  • MFでは、フォーカスリングはスムーズだが非常に軽い。フォーカスリングはAF中に回転するので、指を取られないように注意が必要かもしれない。AFはレンズ内モーターだが、それほど静かではない。
  • 解像力は、20mmでは中央は開放から際立った値(outstanding)だが、隅はそれほどではなく、まずまず良好な値(fairly good)でしかない。F5.6からF8に絞ると画面全域で素晴らしい解像力(excellent)になる。
  • 30mmでは、開放の解像力は画面全域で若干増し、中央は際立った値(outstanding)だが、周辺部はちょうど良好な値(good)だ。F5.6からF11では画面全域で素晴らしい解像力(excellent)になる。
  • 40mmでは、開放では中央はとても良好(very good)だが、隅はなお、まずまず良好な値(fairly good)に過ぎない。絞ると大きく改善し、F5.6で解像力はピーク(全域でほぼoutstandinng)になる。
  • 色収差は、ズーム全域で1/4ピクセルをかろうじて超える値で、極めて良く補正されている。このレベルの色収差は、大幅なトリミングでも目立たないだろう。
  • 周辺光量落ちは広角端で1.25EV、望遠端で1.21EVで標準ズームとしては標準的だ。ズーム全域で2段かそれ以上絞れば、見た目に均一になる。
  • 歪曲は広角端で2.92%のタル型、望遠端で0.627%のタル型で、このタイプのレンズとしては標準的。幸いなことに、歪曲のパターンは画面全域で整っているので、後処理での補正は比較的容易なはずだ。
  • 逆光ではフレア耐性は非常に高く、コントラストも良好に維持されている。フードは浅く、それほど前玉を遮らないが、少なくとも前玉をぶつけないようにするためには役に立つ。
  • 価格は850ポンドで、絞り値可変の標準ズームレンズとしては極めて高価。同じ価格帯で、より便利なズーム域でF2.8通しのDA★16-50mm F2.8が選択できる。
  • F値可変のズームの中では、光学性能に関してはとても良好だ。このレンズのズームレンジは、APS-Cの一眼レフが最初に登場したときに、入手可能なレンズで間に合わせたことを思い起こさせる。そして、開放F値もごく普通だ。このレンズは多くの人にとってコストパフォーマンスが悪いかもしれないが、素晴らしい造りとレトロデザインが好きな人は、このレンズを高く評価するかもしれない。
  • 良い点: 開放から中央のとても良好な解像力、絞ったときの素晴らしい解像力、とても良好な造り、防塵防滴構造、色収差が少ない、レトロスタイル。
  • 悪い点: F値可変の標準ズームとしては価格が高い、それほどワイドでも望遠でもない奇妙なズーム域、インナーフォーカスでもインナーズームでもない。

 

光学性能は開放では周辺部が若干甘いようですが、少し絞れば全域で高解像力になるので問題はなさそうです。色収差は非常に良好で、それ意外の項目もまずまず良好な結果となっています。

結論ではレビュアーは今一つ盛り上がっていない印象ですが、このレンズは味を追求したと言われているLimited レンズなので、数値中心のレビューでは、魅力が分かり辛いのかもしれませんね。