パナソニックGH4のAFはGH3と比べて3倍の速度の被写体を追尾可能

デジカメWatch に、パナソニック開発陣のGH4に関するインタビュー記事が掲載されています。

LUMIX GH4の「空間認識AF」は何が凄い?

  • (4K動画を導入する際の技術的なハードルは?)熱をどう抑えるかが最も大きな課題で従来の4倍の画素数でしかも高速な処理が必要となると熱の発生は等比級数的に増大する。GH4では内部の放熱構造のチューニングが要素検討における最大の難題だった。
  • (ダイナミックレンジの拡大について)GH4は、センサー自身のスペック的なダイナミックレンジはGH3とほぼ同等だが、GH3では若干のマージンがあった。GH4では本体製造工程での調整により、センサーのダイナミックレンジをフルに活用できるようになり、25%ほどダイナミックレンジが広がっていることを実感できると思う。
  • (ローパスレスについて) ローパスレス構造による限界解像性能を見てみたいとする要望は認識しているが、動画撮影時の画像処理でカバーできないモアレの発生などを考慮すると、総合的にみて現時点でこの機種にはローパスフィルターは必要ではないかと判断をしている。
  • (空間認識AFについて)DFDでは、ライブビュー画像からピントの異なる2枚の画像を取得して、あらかじめ取得してあるレンズの光学データを参照しながら分析することで、ボケの状態から各被写体までのおおよその距離とピントを合わせる方向がわかる。
  • GH4のAFはキットレンズの望遠端である140mm(35mm判換算280mm相当)を使用した場合、およそ200km/hの列車でも画面いっぱいまで追従可能で、従来のGH3と比較して約3倍の被写体速度に追従できるAF性能を目標にして設計した。
  • 従来のコントラストAFではピント精度の点で位相差AFに対して大きなアドバンテージがあるものの、AFの動体追従性能があまりよくない点があったが、DFD技術の導入により、位相差AFとほぼ同等の動体追従AFが実現できた。
  • 他社製レンズのDFD用のレンズデータは持てていないため、コントラストAFのみになる。DFDは、すべてのパナソニック製マイクロフォーサーズ用交換レンズで機能する。
  • (像面位相差AFを使わない理由は?) 位相差専用の画素を組み込むと、多かれ少なかれ画素欠損した部分を補完処理しなければならず画質面への影響が避けられない。4K動画では撮像エリア内の全ての画素が記録されるので、画素欠損は基本的に許されない部分があり、4K動画を入れるという時点で、像面位相差AFは採用しづらくなる。

 

GH4の「200kmの列車を画面いっぱいまで追従可能」という追尾能力は、ミラーレス機のAFとしてはすごい性能ですね。α6000の像面位相差AFもかなり優秀なようなので、ミラーレス機が動体に弱いという話は、そう遠くないうちに過去のものになるかもしれません。ただ、DFDが他社製レンズでは利用できないという点は残念ですね。