・Zeiss Touit 12mm f/2.8 (Fujifilm) - Review / Test Report
- 鏡筒はプラスチックと金属のパーツがしっかりと組み合わされ、素晴らしいクオリティだ。フォーカスリングはゴムで覆われ、使い勝手の点では素晴らしいが、ひどくゴミが付く。
- 絞りリングは軽すぎてレンズの着脱や収納の際に動いてしまうという批判もあり、これは確かにもっともな意見だが、致命的な問題だとは思わない。
- AF速度は、あまりAFが速くないX-E1でのテストだが、このクラスとしてのレンズでは十分な速さだ。AFの作動音は非常に小さく、AF精度もおおむね良好だった。MFはバイワイヤ(モーター駆動)で、まずまず良い出来だ。
- 歪曲は未補正のRAWでは2%のタル型で、これはこのような超広角レンズとしては、とても穏やかだ。自動補正使用時には、歪曲は0.8%のごくわずかなタル型になる。
- 周辺光量落ちは自動補正されたJPEGでは、F2.8で0.9EVの小さな値で、被写体によっては目に付くが、このクラスのレンズとして比較的穏やかだ。F4以上に絞れば周辺光量落ちは0.5EVを下回りあまり問題はなくなる。未補正のRAWでは、周辺光量落ちはF2.8で1.8EVと非常に大きく、F4まで絞ってもまだ1.2EVだ。周辺光量落ちは、F8まで絞っても1EVをわずかに下回る値で、完全には解消しない。
- 解像力は中央は開放から素晴らしい値(excellent)で、F4でピークに達する。周辺部と隅の解像力は、良い(good)ととても良い(very good)の間付近で、F5.6がベストだ。隅の解像力が開放から良い(good)なのは、とても驚きだ。超広角レンズは設計が難しく、またミラーレスではセンサーまでの距離が近いことから更に厄介であることを考えると、このレンズは解像力に関しては上出来だ。
- テストした個体のセンタリングのクオリティ(偏芯の少なさ)はとても良好だった。像面の湾曲は極めて小さい。
- 倍率色収差は(絞りにかかわらず)0.4ピクセル前後の非常に低い値で、通常は心配はない。
- 超広角に完璧なレンズは無いが、その範囲内において、ツァイスTouit 12mm F2.8 は極めて素晴らしい結果を残している。肝心な問題は、ライバルの富士14mm F2.8と比べてどうかということだ。富士は隅の解像力で若干ツァイスより優っているが、ツァイスほど広角ではなく、2mmはかなり大きな違いだ。もし、よりダイナミックなパースペクティブを追求するなら、ツァイスがより面白い選択肢かもしれない。
光学性能の評価は富士の14mm F2.8と同じ3.5点で、ズバ抜けて高い評価ではありませんが、とても良好な評価となっています。
Touit 12mm F2.8 は超広角レンズにもかかわらず、開放から周辺部と隅でピーク並みの解像力が得られているのはすごいですね。ただ、絞った時にあまり周辺部と隅の解像力が上がってこないのは少し気になるところです。
また、歪曲や倍率色収差は優秀で、周辺光量落ちも許容範囲なので、超広角としてはあまり欠点がなく、よくまとまっているレンズという印象です。
アミーゴ
Photozone、Lenstipの両方でXF14mmの方が全ての絞り値、全ての画面領域でいくらか優れているという結果の様ですね。それほど意味のある差ではないと思いますが。
焦点距離が2mm違うのでモロに比較してはいけないかもしれませんが、どちらを選ぶかはもう個々の感性に依存しますね。
yyyokosan
FujiのX-M1で使っています。Touitは32mmに追加してこの12mmも購入しました。昔からコンタックスを愛用していて、Zeissレンズの描写力は惚れていましたのでが32mmは私には少し画角がせまく、ワイド好きの自分にはもう少し、というところに12mmが出ました。今度は99度という超広角レンズで、32mmと12mmの間が欲しいところでしたが、Distagonの魅力は知っていましたので、これに決めました。Fujiの14mmもありましたが、迷わずTouitにしました。この息を呑むような描写力が他にないDistagonの魔力です。高い解像力とその空間の再現力。専門的なことは分かりませんし、Fujiの14mmのほうがある点、勝っているというような評価もありますが、Fujiのレンズでは出せない空気感があるんですね。写真の魔力、ってそんなところだと思うんですよ。それではまっちゃうんですよね。Zeissは実にいいレンズをリリースしてくれたと思っていますし、私はいいレンズを手にしたと思っています。これが私にとっての標準レンズになるかもしれません。