タムロン16-300mm F3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO は欠点もあるが旅行用やお散歩用として素晴らしいレンズ

LensTip に、タムロンの高倍率ズーム「16-300mm F/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO」のレビューが掲載されています。

Tamron 16-300 mm f/3.5-6.3 Di II VC PZD MACRO

  • タムロン16-300mmは旧型の18-270mmよりも大きくなったが、このカテゴリのライバルと比べるとそれほど大きくはないように見える。
  • フォーカスリングは平均的な出来だが、それでもなお遊びはなく、まずまずスムーズに回転する。最短から無限遠までの回転角は、およそ130-140度だ。
  • ズームリングの重さは均一ではなく、16-35mmと200-300mmでは軽く、35-200mmでは重くなる。ズームを16mmで固定するロックスイッチがあるが、ズームの自重落下は見られないので、使う必要はなかった。
  • ズームミングで鏡筒は伸びる。興味深いことに(繰り出した鏡筒の)最初の筒は金属製で、2番目の筒はプラスチック製だ。鏡筒はとてもしっかりとしている。
  • 手ブレ補正は、300mmでのテストでおよそ3.3段分の効果で、とても良好な結果だった。
  • 解像力テストで良像の基準となるレベルは34-35lpmmだ。中央の解像力は広角端が最も良く、F5.6で46lpmmに達する。中央はズーム倍率を考えると良好な結果で、どの焦点距離でも(開放で)35lpmm以下には落ちない。
  • 隅は16mmではF3.5-4では基準のレベルを下回るが、絞ると素早く改善し、F8では40lpmmの良好なレベルを超える。問題は50mmで、開放ではとにかく弱く、F8に絞って初めて許容範囲内になる。望遠側では50mmほど弱くはないが、それでもなお(開放では)きちんとした画質と言うのは難しい(解像力は100mm開放で約31lpmm、200mm開放で約30lpmm)。300mmでは、隅は絞り値に関わらずシャープにはならない(300mm開放で約29lpmm)。
  • 軸上色収差は全く問題ない。倍率色収差は、50mmでは0.03-0.04%で無視して良い値だ。100mmでは開放時だけは0.1%に増えるが、問題はない。16mmでは0.11-0.13%の中程度のレベルだ。200mmでは開放で0.23%の高い値に達するが幸いなことに絞れば改善する。300mmの色収差は最も悪く、開放では恐ろしい値(0.27%前後)で、絞っても0.2%以下にはならない。
  • 50mmから100mmでは、若干のフォーカスシフトが見られる。
  • 歪曲は広角端で-4.68%の顕著なタル型だ。望遠側にズームすると、通常の高倍率ズームとは異なり、素早く歪曲が減少し瞬時に糸巻き型に変わる。35mmでは既に+2.17%の糸巻き型になっている。50mmでは+2.50%で糸巻き型のピークになり、以降は減少する。300mmでは+1.14%の糸巻き型で、それほど問題はない。
  • 周辺光量落ちは広角端の開放で35%(-1.26EV)で、目立つレベルだが酷い値ではない。F5.6で21%(-0.70EV)、F8で20%(-0.68EV)に改善し、それ以上絞っても変わらない。望遠端では開放で30%(-1.03%)で、それほど大きな値ではない。
  • 逆光耐性は、このレンズの鏡筒が伸びる構造やレンズの多さを考えれば良好で、強烈なゴーストやフレアは見られない。
  • AFは静かだが完全なノイズレスではなく、わずかな作動音が聞こえるが、煩わしいほどではない。AF速度は、焦点距離にかかわらず最短から無限遠まで0.7-0.8秒で平均的だ。暗所では広角側ではAF速度は変わらないが、望遠端付近では遅くなり、1.5秒に達することさえある。テストしたレンズは若干後ピンの傾向があったが、ボディ側のマイクロアジャストで修正可能だった。スタジオ内のテストでは、AFを外したのは3%未満で、AF精度は良好だ。
  • 16-300mmには直接のライバルが不在なので、評価が難しいが、このレンズは実用的な選択肢のように思える。中央の画質は素晴らしいが欠点もあり、周辺部の画質は50mmでは実に弱く、また望遠側の倍率色収差も非常に大きい。これらの欠点があるとしても、ターゲットとなる人には依然として興味深い選択肢で、旅行や休日のお散歩用レンズとしては素晴らしいレンズだ。
  • 良い点: 非常に汎用性の高いズーム域、中央の良好な画質、軸上色収差が適切に補正されている、16-100mmでは倍率色収差が少ない、50-300mmではコマ収差が抑えられている、周辺光量落ちが望遠側では穏やか、AF性能が良好、手ブレ補正が効果的。
  • 悪い点: ズーム全域での開放時の隅の解像力、200-300mmの倍率色収差がとても顕著、広角側で歪曲が大きい。

 

タムロンの16-300mmは細かく見ていけば、いくつか弱点はありますが、広角端は結構優秀で、これまでにない16mmスタートの超高倍率ズームであることを考えると、全体的に上手くまとまっているという印象です。それほど画質にこだわらない用途なら、このレンズ1本で手軽に楽しめそうですね。