シグマ50mm F1.4 DG HSM はこれまでテストした50mmの中でベストのレンズ

photozone に、シグマ50mm F1.4 DG HSM のフルサイズ機によるレビューが掲載されています。

Sigma 50mm f/1.4 DG HSM | A ("Art") - Full Format Review / Lens Test Report

  • シグマArtシリーズの鏡筒のクオリティは見事だが、このレンズも例外ではない。いくつかの金属製の部品に加えて、TSCという名称の新素材が使われており、このレンズの高品質感に寄与している。
  • キヤノンのEF50mm F1.4と比べると、大きさは2倍、重さは3倍だが、ツァイスのOtusに比べればそれでもなおコンパクトだ。
  • 幅広いフォーカスリングはスムーズに回転する。フォーカシングでレンズの全長は変わらず、前玉も回転しない。
  • AFはほとんど無音で、位相差AFで使う場合は非常に速い。
  • 歪曲は、フルサイズでは1.3%のわずかな糸巻き型で、通常は問題はない。APS-Cでは、歪曲は無視できる値だったので、大部分の歪曲は画面の外側の領域で発生していると思われる。
  • 周辺光量落ちは開放で1.7EVで、比較的穏やかだ。F2に絞ると大きく改善し(0.63EV)、F2.8以上では基本的に問題はなくなる(F2.8で0.31EV)。
  • 解像力は、中央は開放から既にとても良い(very good)~素晴らしい値(excellent)で、周辺部と隅は良い(good)~とても良い値(very good)だ。コントラストもとても良好だ。F2に絞っても解像力はそれほど大きく改善しないが、F2.8では大きく改善する。解像力のピークはF4からF8の間で、このとき画面全域で素晴らしい値(excellent)になる。F11以上では回折の影響が大きい。このレンズは解像力の点では、確実に高い期待に応えている。
  • 倍率色収差は、周辺部で0.1ピクセルから0.2ピクセルで極めて良く補正されている。
  • ボケは前ボケは比較的うるさいが、より重要な後ボケは、完璧ではないがとてもスムーズだ。玉ボケは、輪郭も付かずとても均一な描写で、最高に素晴らしい。絞りの形はF2.8から見え始める。周辺部の(口径食による)玉ボケの形の崩れはごくわずかで、平均的な50mmレンズよりもずっと目立たない。
  • 軸上色収差は、このクラスの他のレンズと同様で、F1.4ではいくらかみられる。絞ると改善するが、F2.8では軸上色収差はわずかに見え、F4以上では解消する。絞るとわずかにフォーカスシフトが見られるが、ごく近距離の撮影を除けば、ほぼ被写界深度内に収まっている。
  • 手短に言えば"大いに推薦" で、このレンズはこれまでにテストした他の全ての50mmレンズよりも良好だ。ツァイスOtus 55mmはまだテストしていないが、特に軸上色収差の点でシグマよりもなお良好かもしれない。しかし、Otusはマニュアルフォーカスで、大きさ重さ、そして天文学的な価格の点で、万人に愛されるレンズではないだろう。

 

光学性能は5点満点中4点で、他のレビュー同様、シグマの新しい50mm F1.4は、このphotozoneでも非常に良好な評価となっています。解像力は開放から隅まで十分に実用になる値で、特に周辺部や隅の解像力は旧型の50mm F1.4 とは段違いの性能ですね。

このレンズは、高解像力にもかかわらずボケ味も悪くないようなので、風景からボケを活かしたポートレートなどの撮影まで幅広く活用できそうです。