富士フイルムXF10-24mm F4 R OIS は間違いなく良いレンズだが価格が高い

LensTip に、富士フイルムXF10-24mm F4 R OIS のレビューが掲載されています。

Fujifilm Fujinon XF 10-24 mm f/4R OIS

  • ズームリングの重さは適切で、とても正確にセットすることができる。フォーカスリングはモーター駆動だ。回転角はおよそ160度で、フォーカシングを楽しめる。
  • 手ブレ補正は約2.7EVの効果で、現在の基準では中程度の結果だ。
  • 解像力テストは、X-E1のRAWファイルで行った。良像の基準レベルは40-41lpmm付近だ。
  • 中央の解像力はズーム中間域がベストで、F4とF5.6で解像力は69-70lpmmに達する。これは高性能な単焦点レンズと同等のレベルで、ズームレンズとしては実に素晴らしい性能だ。広角端では中間域よりわずかに解像力が落ちるが、開放で既に67lpmmの非常に高い値に達しおり、申し分ない。望遠端は解像力が最も弱いが、それでもなお、開放で54lpmmを超えており、良像の基準値を超えている。F5.6に絞ると24mmと他の焦点距離(10mm、17mm)との解像力の差はわずかになり、F8では完全に差はなくなる。
  • 周辺部の解像力は、広角端では非の打ち所がない(10mm開放で46lpmm前後)が、絞ってもズーム全域で55lpmmを超えないのがマイナス点だ。更に、望遠端ではF4とF5.6で良像の基準値を超えず(24mm F4とF5.6で37-38lpmm前後)、F8まで絞ってはじめて40lpmmを超えるのも肯定的な印象を損なっている。
  • 軸上色収差は、わずかに見られるが大きな問題ではない。F5.6まで絞ると減少するが、完全には解消しない。
  • 倍率色収差は広角端では絞り値によらず一定で、0.05%付近の低い値を維持している。中間域では、開放では小さな値で絞ると中程度の値になるが、問題はない。望遠端ではF4とF5.6では問題はないが、それ以上に絞ると非常に大きくなり、F16とF22では0.18%を超える。
  • 富士フイルムのレンズは歪曲を自動補正しているレンズと、していないレンズがあるが、この10-24mmは自動補正を行っている。歪曲は(自動補正がかかる)JPEGでは低い値で問題はないが、RAWでは別で、歪曲はそれぞれ10mmで-4.62%、17mmで+1.53%、24mmで+2.15%で、広角端では非常に大きなタル型だ。
  • 周辺光量落ちは、JPEGでは自動補正され、気にならないレベルだが、RAWでは10mm 開放で、49%(-1.93EV)の非常に大きい値だ。F5.6では38%(-1.38EV)に減少し、F8で33%(-1.16EV)になるが、それ以上絞ってもほとんど改善しない。周辺光量落ちは望遠端が最もよく、開放で26%(-0.86EV)の穏やかな値だ。
  • 逆光耐性はとても良好だが、状況によっては明らかなコントラストの低下が見られた。しかし、これはかなり限られた光源の位置でのみ見られるもので、カメラを少し動かせば解消する。時々、突然フレア・ゴーストが現れて驚くが、特定の光源の位置でしか発生しないことを考えると、この問題はそれほど深刻なものではない。
  • AFは最短から無限遠までおよそ0.3-0.4秒で、非常に速く静かだ。AF精度も問題はなく、前ピンや後ピンの傾向も見られない。
  • XF10-24mm F4 R OIS は、若干不満な部分もあるものの間違いなく良いレンズだ。このクラスで最も高価なレンズだが、いくつかの欠点もある。もし、もう少し安価なら誰にでも推薦できたが現在の価格ではそれは難しい。良いレンズだが、明らかに高すぎる。
  • 良い点: しっかりとした鏡筒、中央のとても良好な画質、広角側の隅の良好な画質、大部分の条件で色収差が少ない、球面収差が良好に補正されている、非点収差が穏やか、逆光耐性が良好、速く静かで正確なAF。
  • 悪い点: 24mmの隅の画質が非常に弱い、歪曲が大きい、広角端で周辺光量落ちが激しい、極めて高い価格。

 

解像力は開放から非常に優秀で、APS-C用の広角ズームで開放から周辺部までここまで解像するレンズは珍しいですね。ただ、望遠端だけは少し絞らないと隅が甘くなるようです。

結論では、価格の高さがかなり厳しく指摘されていますが、XF10-24mmは国内ではニコンの10-24mmと1万円程度の価格差なので、高いことは確かですが、性能を考えれば高すぎるというほどではないかもしれませんね。