シグマの山木和人社長のインタビューが掲載

Iamging Resource に、シグマの山木和人社長のセンサーや交換レンズ、DPシリーズなどに関する広範囲なインタビュー記事が掲載されています。

Sigma Q&A with Kazuto Yamaki

  • (フルサイズのQuattroセンサーは?) 将来の製品についてはコメントできないが、顧客からより大型のセンサーを搭載したカメラへの多くのリクエストがある。
  • (今日では1インチセンサーがポピュラーだが?) 1インチは良いサイズだが、高画質の1インチセンサーを造るためには、現行センサーの画素ピッチを縮小しなければならないだろう。ピクセル構造の変更には、多くの開発リソースと時間が必要なので、我々はピクセル構造の変更をする前には非常に入念な検討をしなければならない。
  • (画素ピッチそのままの高画素フルサイズセンサーは?) それは1つの選択肢だ。大型センサーで画素ピッチを変更する選択肢もあるが、画素ピッチを維持しままセンサーのダイサイズだけを大きくするの方が、より簡単だ。
  • いくつかのレンズはm4/3専用に開発した方が良いと思うが、生産数が非常に重要で、m4/3用のレンズとAPS-C用レンズを共用すれば、コストを引き下げることができる。m4/3専用のレンズを造るなら、価格はより高くなるだろう。従って、複数のプラットフォームで製品を共有すれば、ハイクオリティなレンズを安価で供給できる。
  • (m4/3レンズの需要はAPS-Cやフルサイズと比べると少ない?) ある程度はそうだ。なぜならば、m4/3には既に多くのレンズが発売されている。ユーザーはそれにまずまず満足しているように見える。一方で、ソニーEマウントにはそれほど多くのレンズはなく、従って我々に多くのリクエストがある。
  • (フルサイズのEマウントレンズについては?) ノーコメント(笑顔で)。
  • 70mm F2.8 EX DG Macro は、他のレンズと比べてそれほど需要がなかったことと、このレンズのうちの1枚に使用されている素材が製造中止されていることから、ディスコンになった。この素材はとても珍しいものなので、製造を続けられなかった。
  • (DP Quattro へのズームレンズの採用は?) サイズの点からはQuattroのボディには大きなレンズを取り付けることができるので、より大きなレンズを採用するかもしれない。別の難題は画質で、非常にハイクオリティなズームレンズを実装しなければらない。従ってこれはまだ課題だ。特に高性能な標準ズームはとても難しい。
  • (150-600mm F5-6.3 DG OS HSM Contemporaryの価格は?)まだ発表していないが、Sportsよりもかなり安価になるはずだ。150-600mmは元々1つの企画だったが、光学性能と防塵防滴、そして軽量コンパクトのいずれの点でも妥協したくなかった。しかし、これらを妥協なしに同時に満足させるのは困難だったので、2つの企画(SportsとContemporary)に分けた。実際には、光学性能の点で双方のレンズには、それほど大きな違いはなく、特に中央では違いが分からないかもしれない。周辺部は望遠端では、Sportsの倍率色収差が顕著に少ない。
  • (18-300mm F3.5-6.3 DC MACRO HSMのEマウント版、m4/3マウント版を出す予定は?) ない。なぜなら、このレンズは一眼レフ用で、ミラーレス用に造るなら、AFのために光学設計を変更しなければならないからだ。ミラーレス機は、AFにウォブリング(フォーカスポイントを決めるために前後にフォーカスを動かす動作)が必要で、フォーカシングレンズを非常に軽量にしなければならない。(一眼レフ用レンズとミラーレス用レンズの)設計は完全に別物だ。

 

画素ピッチそのままでセンサーを大型化するのはそれほど難しくないということなので、現在のFoveonセンサーの画素ピッチそのままの高画素フルサイズセンサーが登場する可能性もあるかもしれませんね。

あと、一眼レフ用のレンズとミラーレス用のレンズは、AFの違いのために光学設計が根本的に異なるということなので、一眼レフ用の人気レンズのEマウント版やXマウント版、m4/3マウント版などの発売を期待するのは難しいようです。