シグマdp1 Quattro は画質は際立っているがボディが大型化したのが残念

ePHOTOzine に、Foveon Quattroセンサーと換算28mmの単焦点レンズを搭載したシグマのコンパクトカメラ「dp1 Quattro」のレビューが掲載されています。

Sigma dp1 Quattro Full Review

  • デザインはかなり変わっていて、グリップが前方ではなく後ろ側に回りこんでいる。結果として、片手で撮影しようとすると、レンズヘビーに感じるので、このカメラは両手で操作するのがベストだ。
  • ボディはしっかりとした金属製で、造りは極めて良好だ。
  • 暗所でAFを補助するフォーカスアシストLEDが搭載されているが、暗い状況ではAFはとても遅くなる。フォーカスポイントは9点で、測距点のサイズを標準とラージから選択することができる。
  • 背面の3インチ92.1万ドット液晶モニタは、リフレッシュがそれほど速くなく、撮影時にブロックノイズが見える。モニタはギャップレス設計で視野角はとても良好だ。
  • メニューシステムは非常によく出来ていて、項目を見つけて設定を変更するのは容易だ。
  • バッテリーライフはCIPA規格で200枚で、これは平均を下回っている。しかし、予備のバッテリーが同梱されており、トータルでは400枚のまずまずの枚数が撮影できる。
  • 動作速度はシャッターレスポンスは非常に速い(0.05秒)が、AFは遅いほうで、撮影から次の撮影までの間隔も長い(フラッシュなしで2.5秒)。連写はJPEGでもRAWでも4.2コマ/秒(7枚まで)で速いが、7枚をメモリーカードに書き込むにはしばらく時間がかかるので、特にRAWの場合は、ハイスピードなメモリーカードの使用を推奨する。
  • 色再現とJPEG出力は旧型と比べると顕著に改善されており、(Merrillと比べて)RAW現像の必要性は少ない。露出は信頼でき、ダイナミックレンジは良好だ。肌のトーンは標準設定ではコントラストが少し強いがポートレートの設定ではとても良好だ。JPEGは標準設定ではシャープネスが強すぎて不自然さがあるが、RAWからの現像では問題ない。
  • レンズは、JPEGでは補正をOFFにしたときには色収差が問題だが、RAWでは色収差はSPPを使って容易に補正することができる。ディテールは画面全域で素晴らしく、各ピクセルがフルカラーの情報を持っているので、画素毎のディテールのレベルは素晴らしい。周辺光量落ちはF2.8では少し見られるが、絞ると素早く解消する。歪曲はとても小さい。最短撮影距離は20cmで、クローズアップ撮影にはあまり向かない。
  • ISO100とISO200はノイズが少なく、ディテールは卓越している。ISO400ではまだ良好な結果だが、ノイズが増え、ディテールも若干失われる。ISO800ではノイズが強くなり、可能ならこの感度を避けることを勧めるが、とは言え、リサイズしてWebで使用するか、ノイズを処理すればまだ使えるかもしれない。ISO1600とそれ以上の感度では、ノイズが極めて多く、ディテールは少なくなるので使用を避けるのがベストだ。ISO3200では色が顕著に失われる。これはISO6400でも同様だ。
  • オートホワイトバランスは白熱灯ではまずまず良好で、白熱灯のプリセットでは暖色・黄色に傾く。蛍光灯ではオートホワイトバランスは良好で、蛍光灯のプリセットはグリーンに傾く。
  • 価格は899ポンドで、コストパフォーマンスはまずまず良好だ。予算が限られている人には、旧バージョンのMerrill が現在では素晴らしいコストパフォーマンスだ。
  • dp1 Quattro は旧型のMerrill よりも顕著に大型化され、ポケットに入るサイズではなくなったのは残念だ。画質はディテールに富み、シャープでカリっとしていて色再現も素晴らしいが、JPEGの画質にはいくらか問題がある。ピクセルレベルのディテールは驚くべきものだが、ISO400以上ではノイズが増えるという欠点がある。dp1 Quattroの画質が好みなら、価格はとてもリーズナブルだ。旧バージョンのユーザーは、Quattroの画質改善に投資する価値が十分あるだろう。
  • 良い点: 4.2コマ/秒の連写、使いやすいQSメニューシステム、2個のバッテリーが同梱されている、ホワイトバランスが大幅に改善、際立ったピクセルレベルのディテール、とても良好な色再現、旧型と比べてノイズ性能が改善、2軸電子水準器。
  • 悪い点: 動画モードが無い、自動パノラマモードが無い、SPP6の動作が遅い、JPEGの色収差と不自然さ、旧型よりもボディが大幅に大きい、撮影から次の撮影までの間隔が長い、ISO800のノイズ。

 

新しいQuattroセンサーの画質に関してはユーザーの間でも賛否両論あるようですが、サンプルを見る限りでは、色再現はMerrillと比べて自然になっているという印象です。

JPEGも完璧ではないようですが、旧型と比べるとだいぶ改善されているようなので、この点では使い勝手は良さそうです。ただ、ボディが大きくなったのは、使い勝手の上では少しマイナスになりそうですね。