HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6 はズーム全域で非常にシャープなレンズ

Pentax Forums に、ペンタックスの標準ズーム「HD PENTAX-DA 16-85mm F3.5-5.6 ED DC WR」のレビューが掲載されています。

HD Pentax-DA 16-85mm F3.5-5.6

  • 鏡筒はポリカーボネート製で、造りはしっかりとしている。ズームリングは通常より重く、ズームの自重落下は見られない。フォーカスリングの回転は軽く、もう少し重い方が好みだ。
  • AFはDCモーターで、非常に速く正確で、作動音はとても静かだ。K-3との組み合わせでは動体にもよく追従する。フォーカシングはインナーフォーカスで、AF中にフォーカスリングは回転しない。
  • 色再現は若干暖色系で、ズームレンズとしてはコントラストはとても良好だ。
  • 絞りを変えたときの露出にバラつきが見られ、開放ではアンダーになる傾向が見られるが、1/2段絞ると正確な露出になる。それ以上絞るとまたアンダーになり、露出が正確になるF16までこの傾向が見られる。
  • 中央の解像力は開放からシャープで、絞ると更に改善し、回折の影響が見られるF11~F13(焦点距離によって異なる)までは良好だ。周辺部の解像力は16mm以外では中央と較べても遜色ないが、16mmでは1段かもう少し絞らないと少し甘い。しかし、広角端の甘さは予想していたよりも目立たない。
  • 全体的にこのレンズの解像力は良好で、周辺部と隅は18-135mmよりも一貫しており、広角端の性能もきちんとしている。16-85mmの解像力はDA★16-50mmと同程度で、F2.8の明るさが不要でよりコンパクトなレンズを探しているなら、DA★16-50mmからの買い替えを検討する価値があるだろう。
  • 周辺光量落ちは16mmを除けばごくわずかだが、16mmでは開放で1.5EVで、F5.6以上に絞らないと周辺光量落ちは目立つ。このレンズの周辺光量落ちはよく補正されていて、キットズーム(18-55mm、18-135mm)との性能の違いが際立っている。
  • ボケ味はクリームのように滑らかで、キットレンズの18-55mmよりも滑らか(18-135mmとは同程度)だ。このレンズはボケ味が素晴らしいだけでなく、近接性能に優れているのが嬉しいところで、この2つの組み合わせによって近接撮影に融通の利くレンズになっている。
  • 歪曲は16mmでは穏やかなタル型で、(まっすぐに補正するのに)フォトショップで+4.5の補正が必要だった(18-135mmは18mmで+4の補正)。これは広角ズームの平均的な歪曲で、人工物の撮影では目立つかもしれない。歪曲は望遠側にズームすると素早く糸巻き型になり、無視できる大きさになる。
  • 色収差は、隅の部分で開放付近で見られるが、5倍ズームとしてはそれほど大きくはなく、ピクセル等倍で見たり、大きなプリントにしない限りは容易には目に付かないだろう。
  • 逆光では、強い光源を画面内に入れて撮影するとゴーストが現れる。しかし、フレアはレンズの枚数が多いにもかかわらず大きな問題はなく、これはHDコーティングのおかげかもしれない。
  • このレンズはズーム全域でプロフェッショナルグレードの解像力で、我々を驚かせた。気に入らない点はあまり無いが、絞りによって露出がばらつくのが気になった。汎用性の高い高画質なズームを必要としているなら、このレンズを大いに推薦する。
  • 良い点: ズーム全域でほとんどの絞り値でとてもシャープ、周辺部と隅の性能が素晴らしい、周辺光量落ちが少ない、16mm以外では歪曲が少ない、満足のいくボケ味、近接性能が良好、コントラストが良好、しっかりとしているがコンパクトで防塵防滴構造。
  • 悪い点: 絞りを変えると露出が安定しない、広角側で色ズレが見られる、16mmの隅が甘い、距離目盛りが無い、ケースが付属していない、価格が高い。

 

ペンタックス16-85mm は、ズーム全域で解像力が高く、キットレンズの18-55mmや18-135mmと比べるとかなり高性能化されているようですね。ボケ味もなかなか良さそうです。光学性能が優秀なことに加えて、広角端が16mmになっているので、キットレンズから買い換える価値は十分にありそうですね。