ソニーVario-Tessar T*16-70mm F4 ZA OSS は中央は優秀だが周辺部の画質が芳しくない

photozone に、ソニーのAPS-C用の標準ズーム「Vario-Tessar T* 16-70mm F4 ZA OSS (SEL1670Z)」のレビューが掲載されています。

Carl-Zeiss Vario-Tessar T* E 16-70mm f/4 ZA OSS ( Sony SEL1670Z )

  • このレンズは驚くほど小型軽量で、鏡筒の造りは非常にハイレベルだ。外側の鏡筒とマウントは金属で、内側の鏡筒はプラスチック製だ。内側の鏡筒は、望遠側にズームするとかなり繰り出す。ズームリングとフォーカスリングは、スムーズに回転する。
  • AF速度は、α6000では概ね良好だが(NEX-7ではもっと遅くなる)、スポーツ撮影には向かない。AFの作動音はほとんどしない。MFはバイワイヤ(モーターによる駆動)で、その出来は実に良く、きめ細かいピント調整が可能だ。
  • 手ブレ補正は、ソニーは4段分の効果と主張しているが、実写では2-3段分の効果に近い。
  • 歪曲は自動補正を使用すれば心配は無いが、補正OFFの状態では、16mmでは3.1%のタル型で歪曲はかなり大きい。24mmでは歪曲はほとんどなくなり、40mm以上では穏やかな糸巻き型になる。歪曲は、このクラスのレンズとしては標準的だ。
  • 周辺光量落ちは未補正の状態では、16mm開放では2.24EVで極端に大きい。絞ると周辺光量落ちは改善するが、目立ちやすい場面ではF11でさえまだ目につく(16mm F11で0.98EV)。これは24mm開放(0.84EV)にも当てはまるが、それ以外の焦点距離では大きな問題はない。
  • 解像力は中央は際立っているとまではいかないが、素晴らしい。しかし、周辺部は残念なものだった。16mmでは凡庸な値で、24mm開放と40mm開放もあまりよくはなく、70mmは信じられない結果で、絞っても周辺部は悲惨な値だった。(我々はこのレンズを地元のソニーサービスセンサーに2回送って、ソニーの基準内であることを確認している)
  • 倍率色収差は16mmでは高い値(開放で2.66ピクセル)だが、それよりも望遠側では色収差は改善し(70mm開放で1.42ピクセル)、24MP機によるテストであることを考えるとそれほど悪くはない。
  • 残念ながら素晴らしい性能が確認できたのは中央だけで、結果はとても残念なものだった。造りや手ブレ補正は適切だが、光学性能は中央は際立っているが、周辺部は凡庸か、もしくは見るに耐えないものだった。70mmの焦点距離では、特に酷かった。色収差は広角側では大きく、16mm開放では歪曲と周辺光量落ちも目立つ。(繰り返すが、ソニーサービスでこのレンズがソニーの基準を満たしていることを2回確認している)
  • このレンズはしっかりとした金属製で安心感があり、機構的には使っていて楽しめる。AFも(爆速ではないが)速く、作動音もしない。手ブレ補正も便利だ。しかしながら、この鏡筒の造りの良さも、非常に高価な価格と平均を下回る性能をカバーすることはできない。我々は推薦できないという結論しか出せない。

 

光学性能は5点満点で1.5点と、非常に厳しい評価になっています。photozoneは、このレンズのテスト結果が芳しくないので、ソニーのサービスセンターでチェックをしたり、テスト機をNEX-7からα6000に変えてみたりといろいろと試行錯誤したようですが、結果は変わらなかったとのことです。

このレンズはePHOTOzineのテストでは、もっと良好な結果だったので、レンズの個体差ということもあるのかもしれませんね。