富士フイルムXF56mm F1.2 R APD のボケは絹のように滑らかだが玉ボケは今一つ

photozone に、富士フイルムのアポダイゼーションフィルターを採用した中望遠レンズ「XF56mm F1.2 R APD」のレビューが掲載されています。

Fujinon XF 56mm f/1.2 R APD ( Fujifilm ) - Review / Test Report

  • 鏡筒は金属製で、造りのクオリティはとても良好だ。フォーカスリングは非常にスムーズに回転する。面白いことに、このレンズには、XF14mm F2.8やXF23mm F1.4 に採用されているフォーカスクラッチ機構が採用されておらず、富士の戦略は少々不明確だ。
  • AFは状況によっては(非APDと比べて)若干のペナルティがあるが、それでも十分な速度だ。AFの作動音は小さいが聞こえる。MFはバイワイヤ(モーター駆動)で、動きはとても良好だ。
  • 歪曲は0.1%のごくわずかなタル型で、これは自動補正有効の画像でも未補正のRAWでも同じだった。
  • 周辺光量落ちは、未補正のRAWでは開放で1.4EVと非常に大きな値だが、F2では大きく改善し(0.91EV)、F2.8以上では気にならなくなる(F2.8で0.47EV)。自動補正されたJPEGでは、開放で0.8EVで、F2.8以上では未補正のRAWと変わらない。周辺光量落ちは、非APDとAPDでレンズの性質が異なる唯一の"フォーマル"なカテゴリだ。
  • 解像力は、非APDのXF56mm F1.2 R とほとんど同じだ。F1.2では中央は非常に良好な値(very good)で、周辺部と隅は良好な値(good)だ。絞ると解像力はゆっくりと、しかし確実に改善し、F5.6でピークに達する。このとき中央は素晴らしい値(excellent)で、周辺部と隅はとても良好(very good)~素晴らしい値(excellent)になる。
  • 倍率色収差は、周辺部で平均0.6ピクセル未満で、とても低い値だ。F2.8以上に絞ると、倍率色収差は0.1ピクセル前後に減少し、これは完全に無視できる値だ。
  • ボケは前ボケも後ボケも非常に滑らかだ。それでもまだ完璧とは言えないが、ボケは非APDよりも優れている。残念ながら玉ボケはそれほど関心しない。56mm F1.2 APD は非APDの弱点を受け継いでいて、開放付近で玉ボケの輪郭が目に付く。絞ると改善し、F2以上では輪郭は問題なくなる。
  • 軸上色収差(ボケの色付き)は、多くの大口径レンズと同じように、このレンズにも見られるが、意外なことに、非APDよりも目立たない。
  • ボケは一部の難しいシーンを除けは絹のように滑らかだが、玉ボケは今一つだ。我々は素晴らしいレンズである非APDの56mm F1.4 よりも、APDバージョンを気に入っていて、実際にこのレンズを、自分のレンズのストックに加えている。大いに推薦!

 

光学性能は5点満点中3.5点ですが、評価項目に今回だけ実写性能という項目が追加されていて、これは4.5点という非常に高い評価になっています。レビュアーは、テストの後もXF56mm F1.2 APDを個人的に所有しているということなので、このレンズがかなり気に入ったようですね。

ボケに関しては、確かに玉ボケのサンプルは非APDとそれほど変わらないように見えますが、それ以外の前ボケと後ボケは非APDバージョンよりも明らかにスムーズのようです。

あと、その他の光学性能は非APDとほとんど変わりませんが、周辺光量落ちだけはAPDの方が若干少ないようですね。