シグマ24-35mm F2 DG HSM Art は単焦点レンズをしのぐ解像力

LensTip に、シグマの大口径広角ズーム「24-35mm F2 DG HSM Art」のレビューが掲載されています。

Sigma A 24-35 mm f/2.0 DG HSM

  • ズームリングは非常に重いが、スムーズに回転する。フォーカスリングは十分な重さがありスムーズだ。無限遠から最短までの回転角は120度だが、回転角の大部分は近接域で、無限遠から1メールまでの回転角はわずか20度しかなく、残念ながら少し回転角が少なすぎる。
  • 中央の解像力は、24mm開放では42lpmm(良像の基準値は30-32lpmm)、最も解像力の低い28mmでも37lpmmで、ただ称賛あるのみだ。絞ると解像力はF4でピークになり、44~46lpmmに達する。これは単焦点レンズと同等の解像力で、24-35mm F2 は3本の単焦点レンズを1つにしたと言っても全く大げさではない。この結果は(35mmで)キヤノン35mm F2 ISを若干上回っており、(28mmで)ニコン28mm f/1.8Gの解像力を大きく超えている。
  • APS-Cの隅の解像力は、開放でもズーム全域で良像の基準値を超え、F5.6では40lpmmを超えており、間違いなく素晴らしいものだ。シグマ24-35mm F2の解像力は、EF35mm F2 ISよりも若干優れている。
  • フルサイズの隅の解像力は、開放ではズーム全域で良像の基準値を若干下回るが、単焦点のEF35mm F2 ISでもF4まで絞らないと基準値を超えないので、シグマの解像力に不満は無い。絞ると、シグマはF2.8よりも前に良像の基準値を超える。ニコンの28mm f/1.8Gと35mm f/1.8Gと比較してもシグマは同等以上の解像力だ。
  • 解像力テストは驚きの結果で、シグマ24-35mmを購入すれば、いくつかの単焦点レンズを所有する必要はなくなるだろう。
  • 軸上色収差は、よく補正されており、開放でのみ目に付くが激しいものではなく、F2.8に絞ればほぼ完全に消失する。
  • 倍率色収差は、最も目立つ広角端でも0.08-0.09%で、"低い" と "中程度" の間の値が維持されていて、問題は無い。
  • 球面収差は全く問題はなく、フォーカスシフトは見られない。
  • 歪曲は24mmでは-3.24%のタル型で、これはシグマ24mm F1.4 Artの-1.20%やニコン24mm F1.4Gの-2.03%よりも大きく、ここでは単焦点レンズの方がずっと優れている。28mmでは-0.79%のタル型で、ニコン28mm f/1.8Gの-1.13%よりも若干良好だ。35mmでは+0.77%の糸巻き型で、キヤノンEF35mm F2 ISの-1.34%やニコン35mm f/1.8Gの-1.62%よりも優れている。
  • コマ収差は少々残念で、APS-Cの隅では問題が無いが、フルサイズの隅ではズーム全域で容易に目に付く。非点収差はとてもよく補正されている。
  • 周辺光量落ちは24mm開放で59%(-2.56EV)で非常に高い値だ。F2.8では37%(-1.32EV)で、F4以上に絞って初めて穏やかな値になる(F4で-0.73EV)。28mm開放では56%(-2.39EV)、35mm開放では55%(-2.31EV)で、大きな違いはない。周辺光量落ちは不満がある値だが、キヤノンEF35mm F2 IS は開放で66%でシグマよりも悪く、ニコン28mm f/1.8Gは48%でシグマよりも8%良好なだけだ。
  • このレンズは非常に大口径で画角の広いレンズにもかかわらず、逆光耐性に大きな問題はなかった。グリーンのゴーストがいくらか見られるが、それほど大きなものではなく、強烈でもない。
  • AFは爆速ではないが十分な速度で、作動音もしない。無限遠から最短までは焦点距離にかかわらず0.7-0.8秒だ。AF精度は、スタジオ内のテストでは全ての画像がシャープで、5D3との組み合わせではAF調整の必要はなかったが、50Dではごくわずかに前ピンだった。
  • このレンズは、解像力に関しては、どのメーカーのF1.8やF2の単焦点レンズと比べても良好で、「3本の単焦点を1本に」という言葉は、単なるマーケティングのためのスローガンではない。
  • 良い点: 他には無いスペック、しっかりとしたスタイリッシュな鏡筒、中央のセンセーショナルな画質、隅の良好な解像力、軸上色収差が穏やか、倍率色収差がわずか、球面収差が適切に補正されている、中間域から望遠側の歪曲が少ない、非点収差がわずか、静かで速く正確なAF。
  • 悪い点: フルサイズで広角端の歪曲が顕著、コマ収差が少し大きい、ズーム全域で周辺光量落ちが非常に大きい。

 

このレンズは、超大口径のズームレンズにもかかわらず、ズーム全域でニコンやキヤノンのF2クラスの単焦点レンズの解像力を超えているのはすごいですね。

広角端の歪曲だけが、単焦点レンズに負けていますが、それ以外カテゴリではF2クラスの単焦点と同等の性能で、画質の面では本当に単焦点レンズ3本分に相当するレンズと言っていいかもしれませんね。