シグマ20mm F1.4 DG Art は非常に素晴らしいレンズ

Photozone に、シグマの超広角単焦点レンズ「20mm F1.4 DG Art(EFマウント版)」のレビューが掲載されています。

Sigma 20mm f/1.4 DG HSM | A ("Art") - Full Format Review / Lens Test

  • シグマArtシリーズの鏡筒の造りは見事なものが多いが、この20mm F1.4も例外ではない。鏡筒はいくつかの金属製のパーツと、新素材のTSCから出来ており、大口径のために非常に大きく重い。フードは固定式で、フィルターは装着できない。
  • 幅の広いフォーカスリングはスムーズに回転し、フォーカシングでレンズの全長は変わらない。AFは超音波モーターで、位相差AF使用時には非常に速い。動作音もほとんどしない。ライブビューモードのコントラストAFの速度は、最新世代の一眼レフとの組み合わせではかなり改善されている。
  • 歪曲は2.4%のタル型で、このクラスのレンズとしては平均的だ。しかし、超広角ズームは20mmの焦点距離では、シグマ20mm F1.4よりも歪曲が少ない傾向にある。
  • 周辺光量落ちは、開放では3.3EVの極めて大きな値だ。絞ると大きく改善し、F2.8では穏やかな値(0.99EV)になり、F4とそれ以上の絞り値では多くの場面で問題はないはずだ(F4で0.68EV)。超広角の大口径レンズは周辺光量落ちが非常に激しい傾向があるが、このレンズも例外ではない。
  • 解像力(5DsRでテスト)は、中央は開放から非常にシャープで、中程度まで絞ると際立った解像力(outstanding)になる。中央近くの解像力も非常に高く、素晴らしい値(excellent)のレベルに達する。予想通り、周辺と隅は解像力が落ち、F1.4とF2ではかなり甘いが、F2.8では大きく改善し良好(good)なレベルになり、F4-F8ではとても良好(very good)になる。ボディの画素数を考えると、欠点がないわけではないが、かなり素晴らしい結果だ。
  • 5D Mark II による解像力は、中央は開放から極めて高い値で、隅はF1.4とF2ではそれほど素晴らしいわけではないが、F2では許容範囲内だ。F2.8に絞ると隅は大きく改善するが、真に素晴らしい解像力になるのはF4からだ。この結果は、F1.4の超広角レンズであることを考えると、驚くほど良好だ。
  • 倍率色収差は周辺部で平均1ピクセルで、良く補正されている。これは5DsRのテスト結果で、5D2のテスト結果では、これよりもずっと小さい値だ。
  • ボケ味は多くの広角レンズとくらべてずっと良好だ。玉ボケの内部の描写は、同心円上のボケがごくわずかに見られるが、とてもクリーンで、周囲の縁取りも穏やかだ。
  • シグマ20mm F1.4 は、設計の難しい超広角レンズにもかかわらず非常に素晴らしいレンズだ。5DsRでは隅がF2までは甘いが、絞れば大きく改善する。5D2ではずっと良い結果で、隅はF2でまずまずの性能になる。5DsRは扱いの難しいカメラで、シグマのこのレンズでも隅の性能で5DsRを克服することができなかったが、中程度まで絞れば少なくともいい線までは行っている。より画素数が少ないカメラでの20mm F1.4の性能は言うまでもない。我々は全く問題なくこのレンズを大いに推薦する。

 

光学性能の評価は、5DsRのテストはいつものように評価なし(※Photozoneは5DsRでのテストでは光学性能の点数を表示していません)ですが、5D Mark II での評価は5点満点中4点の非常に高い評価になっています。

50MP機の5DsRでは開放付近の隅の解像力がかなり低く出ていますが、5DsRのテストでは、このレンズに限らずに、Photozoneでは周辺部と隅でかなり低い値が出ているようなので、シグマの20mm F1.4が特に悪いというわけではないようです。

5D Mark II でのテスト結果を見る限りでは、このレンズは大口径の広角レンズとしては非常に優秀なレンズと言って良さそうですね。