富士フイルムGFXとハッセルブラッドX1Dの比較レビュー

photographylife に、富士フイルムとハッセルブラッドの中判ミラーレスカメラの比較レビューが掲載されています。

Fuji GFX 50S vs Hasselblad X1D-50c

  • ボディは、どちらのカメラもマグネシウム合金とハイクオリティなプラスチックで出来ており、いずれも造りは素晴らしい。しかしながら、手に持った時の感触は、より優れたラバーグリップを採用し、洗練された仕上げのX1Dの方が素敵だ。

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  • X1Dはグリップの快適さに加えて、小型軽量なので、ハンドリングはGFXよりも良好だ。X1Dはダイヤルの感触も見事で、この感触はニコンの一眼レフ以上だ。対照的にGFXのダイヤルはプラスチック製で、回転が軽く、安っぽい感じがする。
  • 全体的な使い勝手は、X1Dは操作部が小さく慣れが必要なので、GFXが大きくリードしている。また、X1Dのメニューはシンプル過ぎて、初心者にはいいかもしれないが、これは中判カメラだ。このカメラを購入する人は、もっとカスタマイズの選択肢が多いメニューを期待しているだろう。
  • XD1のもう1つの問題は、X1Dにはジョイスティックや方向ボタンが無く、フォーカスポイントを素早く変えることができない点だ(タッチパネルもAFポイントの選択に使用できない)。
  • X1Dでもっともフラストレーションが溜まるのは、動作速度で、スイッチを入れてからHのロゴが表示されるまで5秒かかり、メニューが表示されるまでに更に2-3秒掛かることもある。シャッターを半押ししてから、液晶モニタやEVFがライブビューモードになるまでに更に1-2秒かかる。そして、撮影後が最大の問題で、RAW+JPEGフォーマットでは、撮影後に2-3秒ブラックアウトする。ブラックアウトしている間は何もできない。前に撮影した画像を表示する際にも2-3秒待たされる。X1Dは非常に古く遅い画像処理エンジンを採用しているような感じがする。GFXは瞬時に起動し、メニューの待ち時間もなく、このような問題とは無縁だ。
  • AF速度は、一眼レフや最新の(より小さなセンサーの)ミラーレスに比べると遅いが、どちらの機種もまずまずだ。AF精度は、どちらも同程度で、非常に正確だ。しかし、機能的にはGFXが遥かに優秀で、例えば、X1Dには顔認識機能が搭載されていない。これは人物写真家には重要な機能だ。全体として、AFはGFXが優れている。
  • X1Dはレンズシャッター、GFXはフォーカルプレーンシャッターなのが両機の最大の違いだ。レンズシャッターの最大の利点はフラッシュに全速同調することだが、一方で、シャッターの最高速が遅いという欠点がある。また、レンズシャッターのためX1Dは絞り開放でも、驚いたことに、玉ボケが絞ったように角ばった形になるのが大きな問題だ。
  • 画質は、低感度(ISO100)と高感度(ISO6400)、ダイナミックレンジのテストを行ったが、両者のセンサー性能に全く違いは見られなかった。ISO3200でも、大きな違いは見られない。
  • 上記の全てから、私の写真のニーズの合うのは明らかにGFXだ。GFXは非常に多機能で、素晴らしい操作性を持ち、AFも信頼のでき、画質も素晴らしいカメラだ。X1Dは、シンクロ速度が高速で、軽量でより美しい仕上げのカメラだが、それ以外の点ではGFXに対して苦しい。手頃な価格の中判を探しているカメラマンの多くには、GFXが良い選択肢になるだろう。もし、私がポートレート写真家で、高速なシンクロが必要なら、たぶんX1Dを熟考するだろう。

 

X1Dは小型軽量で持ち歩きしやすそうですが、かなりレスポンスが悪いようなので、スナップなどにはあまり向かないかもしれませんね。起動時間や書き込み時間などは、ファームウェアでの改善に期待したいところです。

一方でGFXは、あまり大きな欠点はないようで、大きく重いことを除けば、他のミラーレス機とあまり変わらない感覚で使えそうです。