ニコン28mm f/1.4Eは楽しめるレンズだが価格が高すぎる

Imaging Resource に、ニコンの広角単焦点レンズ「AF-S NIKKOR 28mm f/1.4E ED」のレビューが掲載されています。

Nikon 28mm f/1.4E ED AF-S Nikkor

スタジオテスト

  • 解像力は、中央は驚くほどシャープだ。隅は開放ではいくらか甘さが目立つが、これは予想の範囲内で、極めて妥当なものだ。絞ると隅の解像力は大きく改善し、F5.6でピークに達するが、それ以上絞ると回折の影響で解像力は低下し、F16では画面全域でソフトになる。
  • 倍率色収差は、大口径レンズでは目立つことが多いが、このレンズは隅でも色収差はよく抑えられており、ハイコントラストな部分でわずかに青い色ズレが見られるだけだ。
  • 歪曲は、隅では約0.4%、画面全体の平均では0.2%の弱いタル型だ。
  • もし、開放で隅々までシャープなレンズを探しているなら、このレンズは該当しないが、開放ではとても特徴のあるレンズで、実に興味深い画像が得られる。

フィールドテスト

  • 鏡筒の造りはニコンの金環レンズに期待した通りで、頑丈に感じる。かなり重いレンズだが、D800のようなフルサイズボディとのバランスは非常に良好で、扱いにくくはない。
  • フォーカスリングは、かなりの重さがあり、正確なピント合わせができる。フォーカスリングは、最短や無限遠を超えて回転するが、最短と無限遠はフォーカスリングの感触で分る。
  • 実写では特に絞ったときはシャープだ。開放では中央はシャープだが、隅はそれほど良好ではない。絞れば改善するが、金環レンズなので開放でも良好な性能を期待したいところだ。開放ではいくらかパープルフリンジと甘さがあるが、F5.6まで絞れば解消する。F11からは回折の影響が顕著になる。F1.4からF5.6の間での解像力の変化は極めて大きい。
  • 周辺光量落ちは、開放ではかなり見られるが、絞れば改善し、F5.6前後でほとんど解消する。周辺光量落ちは、たぶんこのレンズの一番弱い部分だ。
  • 色収差は、実写では厳しい条件でなければ目立たず、色収差の補正は全体的にとても良好だ。
  • 歪曲は、いくらかタル型になるが、それほど強いものでなく、実写ではあまり目立たないだろう。
  • ボケは、画面全域で非常に滑らかだ。
  • AFは速く、概ね静かだ。駆動音は聞こえるが、それほど大きくはない。AF速度は素晴らしく速い。暗い場所でもAFはとても良好に動作する。
  • このレンズは極めて造りが良く、フォーカスリングも素晴らしいので、フィールドで使っていて楽しめるレンズだ。画質もとても良好だが、それらを考慮しても2000ドルの価格は、28mmの単焦点レンズとしては高すぎる。
  • 好みの点:素晴らしい造り、中央は開放から非常にシャープ、色収差は概ね良く補正されている、高速なAF。
  • 好みではない点:少々重い、AF音が聞こえる、価格が高い。

 

解像力テストでは、開放付近はやや隅が弱いですが、絞ると大きく改善するので風景などでも全く問題はなさそうです。

最近は開放からカリカリのレンズも多いですが、このレンズは絞ったときの解像力の変化が大きいようなので、絞りによる描写の変化を楽むにはよさそうですね。

サンプルは、とても立体感があり発色も綺麗で、スタジオテストの成績以上に実写では見栄えのするレンズという印象です。