ソニーFE24-105mm F4 G OSSはライバルをしのぐ性能だが自動補正が必須のレンズ

OpticaLimits(旧称Photozone)に、ソニーの標準ズーム「FE24-105mm F4 G OSS(SEL24105G)」のレビューが掲載されています。

Sony FE 24-105mm f/4 G OSS (SEL24105G) - Review / Test Report

  • 鏡筒はハイクオリティなプラスチック製で、造りはGMシリーズのレンズよりも若干劣るかもしれないが、それでもなお、プロ水準にある。
  • このレンズは小型でも軽量でもなく、大きさは、このクラスの一眼レフ用のレンズと変わらない。
  • ズームリングとフォーカスリングは滑らかに回転する。望遠側にズームすると鏡筒は伸びるが、最も伸びた時でもガタツキは全く見られない。
  • AFモーターはダイレクトドライブSSMで、静かでとても速い。AF精度も非常に高い。
  • 手ブレ補正は、実写では3段分前後の補正効果だった。
  • 歪曲は自動補正有効時は、24mmでわずかなタル型(-0.69%)、中間域でわずかな糸巻き型(70mmで0.7%)で通常は問題ない。未補正のRAWでは、24mmで-4.6%の非常に大きなタル型、望遠側では3%を超える糸巻き型で、歪曲は芳しくない。このレンズは自動補正前提のレンズだ。
  • 周辺光量落ちは、自動補正有効時は穏やかな値(24mm開放で1.22EV)でほとんど心配は無い。未補正時(周辺光量も歪曲も未補正の時)では状況が全く異なり、24mmでは四隅は、基本的に真っ暗(F4で5.35EV、F5.6で4.12EV、F8で3.28EV)だ。このレンズは前玉が小さすぎる。歪曲の自動補正使用時は、隅の真っ暗な部分は(切り取られて)無くなる。
  • 解像力は、24mm開放では中央付近は極めてシャープで、周辺部も良好~とても良好な値だ。隅はそれほど優れているわけではないが、それでも良好の範囲内だ。40mm開放では周辺部は非常に甘いが、F5.6に絞ると大幅に改善し、良好~とても良好な値になる。

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  • 70mmでは周辺部と隅は再び開放から良好になる。105mmでは開放で中央の解像力の低下が目立つが、それでも、とても良好な値を維持している。周辺部は開放ではまた甘くなるが、F5.6ではとてもしっかりした解像力になる。このレンズの解像力は、42MP機での標準ズームテストとしては、満足の行くものだ。

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  • 倍率色収差は、24mmのピーク時で平均2.3ピクセルで、絞ると1.7ピクセルに改善する。中間域では色収差は減少し、望遠側では再びわずかに増える。倍率色収差はこのクラスのレンズとしては良好だ。
  • 玉ボケは開放からF8まで円形が維持されているが、ボケの内部は同心円状で、とてもうるさい。しかし、このようなボケは、このクラスのレンズでは普通のことだ。通常のボケは、後ボケはとても良好だが、前ボケは少々輪郭が目立つ。
  • このレンズは、中央の解像力はFE24-70mm F2.8 GMに及ばないが、隅は、この種のレンズとしては意外なほど良好だ(少なくともF5.6に絞った時には)。歪曲と周辺光量落ちは、通常、後処理(自動補正)で対処するので、エンドユーザーの視点では不満は無いだろう。とは言うものの、ニコンやキヤノンは(光学的に)上手く対処しているので、このレンズが自動補正無しでは使えないレンズなのは少々残念だ。
  • FE24-105mm F4 G OSS は欠点の無いレンズではないが、キヤノンのEF24-105mm F4L IS II やニコンのAF-S24-120mm F4 G VRよりも優れており、ソニーのユーザーに推薦できるレンズだ。

 

光学性能の評価は3~3.5点で、このクラスのレンズとしては良好な評価になっています。解像力は、焦点距離によっては開放で周辺部や隅が甘くなるものの、全体としてはライバルよりも優れているようです。

周辺光量落ちに関しては、24mm開放で隅が5.35EVという極めて大きな値で、絞ってもあまり改善しないのが気になるところですが、歪曲補正を有効にすると、隅の極端に暗い部分は切り取られてしまうようなので、自動補正を使えば問題はなさそうです。