ニコンの目標はフルサイズ市場で1位になること

DPReview に、東京とケルンで行われたニコンへのインタビューをまとめた記事が掲載されています。

Photokina 2018: Nikon interview

  • (高解像度対応のZマウントレンズ群の設計はどのように変わったか?)
    5つの点で大きく改善している。第1に非常にバランよく収差を抑えていること。第2に、画面の周辺部の解像力を改善していること。第3に隅のコマ収差を改善していること。第4にボケが自然で美しいこと。最後にゴーストやフレアの影響を可能な限り減らしていることだ。
  • (一眼レフとミラーレスの販売比率の内部目標は?)
    モデルごとに売上の目標はあるが、それは開示できない。我々の目標は、フルサイズ市場で、ミラーレスと一眼レフの双方で1位になることだ。
  • (その目標はいつまでに達成するのか?)
    具体的な時期は言えないが、可能な限り速く1位になるという目標を達成するために全力を尽くすつもりだ。おそらく、すぐに1位のポジションに到達できると信じている。多くのメーカーが、フルサイズミラーレスを発売したが、Z6とZ7の販売はとても堅調で、我々は自信を持った。
  • (Z6とZ7のニコンの一眼レフの販売への影響は?)
    Z6とZ7を発売してからも、D850の需要は非常に多くそして安定している。一眼レフとミラーレスはそれぞれ独自の利点があるので、共存できるだろう。しかし、市場がミラーレスに移行するのは避けられないことで、現在はミラーレスのシェアは40%前後だが、2020年以降はミラーレスが一眼レフを超えると予想している。
  • (将来、ZマウントでDXフォーマットに対応できるのか?)
    まだフルサイズ以外のフォーマットは考えていないが、市場のトレンドを注視しており、将来の可能性は否定しない。
  • (Z6とZ7の開発でベンチマークとなったものは?)
    Z7の開発ではD850がベンチマークで、我々はZ7を少なくともD850と同じレベルにしたかった。
  • (ハイクオリティな動画機能のZマウント機への採用はどの程度重要か?)
    スチルと動画の両方の機能を欲している顧客が増えているので、我々も動画性能の改善に注力している。我々は、動画のプロのためのツールを提供するメーカーとして認識されたいと思っている。
  • (次世代のZマウントカメラではプロ用と初心者用のカメラのどちらがより急務か?)
    現在、中級からハイエンドに注力しているが、レンズ交換式カメラを使ったことのないエントリーレベルのユーザーも非常に重要だ。エントリーレベルとプロのいずれのユーザーも等しく重要で、我々は、Zマウントシステムを幅広い人達にアピールできるラインナップに拡張することを目指している。
  • (将来はZマウント機にボディ内手ブレ補正に加えてレンズ内手ブレ補正も採用するのか?)
    レンズ内手ブレ補正の開発は続けるつもりだ。機能的な利点があるなら、レンズ内手ブレ補正も採用する。望遠レンズでは、レンズ内手ブレ補正がとても有用だ。広角ズームでも場合によってはレンズ内手ブレ補正が有用だ。
  • (将来にニコンが直面する最大の課題は?)
    スマートフォンが出現してカメラ市場は縮小したが、ミラーレス市場が活性化したので、我々はこの市場を拡大できると考えている。もう一つは、演算による画像生成が急速に進歩すれば、スマートフォンでレンズ交換式カメラと同じような優れた画像が得られる可能性があるということだ。しかし、スマートフォンのおかげで写真人口が増えているので、多くのビジネスチャンスを見出すことができるだろう。
  • (将来ニコンから発売される一眼レフの数は少なくなるのか?)
    我々の戦略は、一眼レフとミラーレスの双方を市場に送り出すことだ。Z6/Z7と共にD3500を発売しており、我々は、多くの一眼レフの発売を計画している。
  • (Fマウントは60年間ニコンの最高のレンズマウントだったが、Zマウントはどのくらい先を見ているのか?)
    100年と言おうとしたが、少なくとも60年! 願わくば永遠に続いて欲しい。

 

ニコンZ6/Z7の販売は手応えがあったようで、ニコンは「すぐにフルサイズで1位になれると思う」と、なかなか強気のコメントをしていますね。今後、フルサイズミラーレスの市場がどうなっていくのか興味深いところです。