キヤノンが大口径マウントのメリットについて説明

デジカメWatch で、キヤノンの開発者向けの技術説明会の内容が紹介されています。

キヤノン説明会で聞いた「ミラーレス大口径マウントのメリットと実例」

  • 光学設計者はレンズ構成図を見て、光がどのようにレンズを通っていくかを読み取り、「美しい」「美しくない」と判断する。キヤノンの光学設計者によると下記3点が"美しい"の主な判断基準で、この観点が大口径マウントのメリットを考えるベースとなる。

    - 絞りの前後で光学系の対称性が高い
    - 光線の屈折がゆるやか
    - 大きい玉と小さい玉がバランス良く並ぶ
  • 「光を大きく曲げると強い収差が発生する」というのを念頭に置くと、小口径マウントでは、径の小さいマウントが光束を邪魔しており、凹レンズを最後部に入れて、撮像面の周辺まで光が届くようにしなければならない。この急な広げ方が収差を発生させる。大口径マウントでは、最後部のレンズを撮像面側に下げて径を大きくすれば、素直に収差補正ができる。
  • キヤノンの設計者の言葉(以下、プレゼンのスライドより)

    「せっかくのショートバックフォーカスなのに、マウント口径が小さければ設計する甲斐がない」「大口径なら、今までにないレンズを設計してみせる」

    従来のEFレンズでは不可能だったユニークな仕様のレンズを想定しては、実際に設計を試みる。そうして得た結論は内径54mm。EFレンズと同じ数値だった。

 

大口径マウントのメリットが素人にも分かりやすくまとめてあって、とても興味深い記事ですね。光を急激に曲げないというレンズ設計には、確かにマウント径の大きさが効いてきそうです。

レンズ設計の自由度が大幅に上がったRFマウントで、将来どのようなレンズが出てくるのか興味深いところですね。