キヤノン「EOS RP」は優れた画質だが露出オーバーの傾向がある

ePHOTOzine に、キヤノンの新しいフルサイズミラーレスカメラ「EOS RP」のレビューが掲載されています。

Canon EOS RP Review

  • EOS RPは少し小さ目の一眼レフのようで、手によくフィットする。カメラの操作系は、EOS Rと比べるとずっと保守的で使いやすい。ボディはしっかりとしたプラスチック製で、造りは良好だ。
  • シャッターボタンは角度が急なので、慣れるまで時間がかかる。シャッターボタン手前のコマンドダイヤルの位置も慣れが必要だ。
  • 防塵防滴のシーリングが施されていると述べられているが、それほど多くのシーリングが施されているわけではなく、電池室周囲はシーリングされていない。RF24-105mm F4Lはシーリングされているが、RF35mm F1.8はされていないので、悪天候時は注意が必要だ。
  • バッテリーライフはCIPA規格で250枚で、このクラスのカメラとしては短い。バッテリー残量のパーテンテージ表示はなく、バッテリー警告がなかなか出ないので、赤いバッテリー警告を突然目にすることになってしまう。
  • サンプルでは、キヤノン製のカメラらしく優れた色再現だ。露出は概ね信頼できるが、少しオーバーの傾向がある。ポートレートでは顔認識と瞳認識の合焦率は比較的高く、肌色の再現は非常に優れている。
  • 24-105mm F4Lは、歪曲補正をOFFにすると建築物で歪曲がかなり目立つので、歪曲補正ONで使用することを勧める。このレンズは、画面内に太陽を入れた場合でもフレア耐性は高い。
  • 高感度ノイズはISO3200までは非常に良く押されられているが、ISO6400ではディテールが失われ始める。ISO12800ではノイズがより目立つようになるが、まだ良好な画質だ。ISO25600では更にノイズが強くなるが、縮小してWebで使用するなど、用途によっては使用できる。ISO51200以上は色が薄くなりノイズが過剰になるので避けたほうがいいだろう。高感度ノイズは、24MP裏面照射型センサーを採用するニコンZ6やソニーα7 III の方が優れている。
  • オートホワイトバランスは、白熱灯では標準設定では暖色で、ホワイト優先ではより白に近くなる。白熱灯のプリセットは暖色だ。蛍光灯ではオートで良好な結果で、プリセットでは若干色が傾く。
  • 動画は4Kでは1.6倍にクロップされるので、アダプターを使ってEF-Sレンズを使用できる。4K動画の感度は仕様ではISO102400が可能と記載されているが、ISO12800までしか上げられなかった。フルHDではISO25600まで可能だった。スローモーション動画機能は搭載されていない。動画の色再現とディテールは良好だった。
  • EOS RPはキヤノンの色再現と高性能なRFレンズのおかげで、画質は優れているが、露出オーバーには注意が必要だ。バッテリーライフは短いので、予備のバッテリーを購入する必要があるだろう。ファインダーは他のフルサイズミラーレスほど大きくなく、解像度も高くないが、価格を考えると、EOS RPは優れた機能を実現している。
  • 良い点:素晴らしい画質、良好な高感度性能、4K動画、素晴らしく安い価格、比較的コンパクトなボディ。
  • 悪い点:バッテリーライフが短い、RFレンズのラインナップが少ない、RFレンズが高価なレンズが多い、大部分のレンズがボディよりも大きい。

 

フルサイズミラーレスの中では一番安価なカメラですが、ファインダー性能や連写性能などを重視しないなら、このカメラで必要十分かもしれませんね。

露出オーバーの傾向が指摘されていますが、ターゲットとなるユーザー層を考えてそのような味付けにしたのでしょうか。あとは、RPのサイズに見合ったコンパクトなRFレンズが欲しいところですね。