ニコンはDXのミラーレスに関してはユーザーの声に耳を傾けていく

DPReview に、CP+会場で行われたニコンのインタビューが掲載されています。

CP+ 2019 - Nikon interview

  • (フルサイズミラーレス市場は、どのように発展すると思うか?)
    ハードウェアに関しては、おそらくミラーレスは一眼レフに追いつくだろう。しかし、難しいのはEVFのタイムラグだ。スポーツなどの撮影で、ハイレベルなプロ写真家のために、一眼レフが生き残ると思っている。一眼レフとミラーレスの間には相乗効果があると考えているので、今後も市場を拡大できるだろう。
  • (Z6/Z7のEVFは、競合他社と比較して応答速度を犠牲にして高解像度のファインダーを使用しているが、この選択をしたのはなぜ?)
    我々は究極の性能のファインダーを提供しようと考えている。ファインダーを通した
    視界は可能な限り自然であるべきだ。これを達成するために、光学系と画像処理に焦点を合わせた。現在の技術では、常にある程度のタイムラグはあり、タイムラグを短くするために解像力で妥協すると、(ファインダーの視界の)体験が損なわれる。もちろん、我々はタイムラグの短縮化にトライし続ける。
  • (スピード重視のカメラでは、ファインダーのレスポンスがより重要になるのか?)
    場合による。Z7では、我々の最優先事項はスピードではなかった。スピード重視のカメラを発売するとしたら、ファインダーの応答性を見直す必要があるだろう。
  • (Z6/Z7のユーザーから、どのようなフィードバックがあったか?)
    動体撮影を重視しないユーザーは、システムの性能に満足しており、多くのケースで、そのようなユーザーは一眼レフから完全に切り替えている。
  • (Z6とZ7のユーザー層は異なっている?)
    発売時にはZ6とZ7の販売比率は半々になると予想していたが、Z6の方が売れている。Z6は価格競争力があり、動作カメラマンは、Z6は非常にユーザーフレンドリーだと述べている。米国では、Z6のフィルムメーカーズキットが人気だ。
  • (将来、本格的なプロのビデオグラファーや映画製作者にニコンをアピールしたいか?)
    ハリウッドやテレビ放送のビデオグラファーを対象にしようとは思っていない。フリーランサーや、個人で活動するビデオグラファーなどを対象にしている。フォトジャーナリストやウエディングカメラマンなど、スチルと動画の両方を必要とする写真家のために、より使いやすい機器を開発する。Sシリーズのレンズは、フォーカスブリージングなど、動画にも細心の注意を払っている。
  • (FマウントとZマウントを並行して生産するために生産力を増強するのか? それともいずれかを縮小するのか?)
    Zマウント投入後も、Fマウントの売上は非常に堅調だ。我々はZシリーズとDシリーズを同時に成長させたいと思っており、どちらかに重点を置いているわけではない。両方のレンズを平行して開発するのは大変なので、生産の効率化が重要になるだろう。
  • (ZマウントはフルサイズだけでなくAPS-C用にも使われると思うか?)
    将来の計画は言えないが、Zシリーズのカメラを発売してから、DXフォーマットの一眼レフユーザーから、DXミラーレスの要望が出ている。APS-Cセンサーを採用すれば、システムを更に小型化することができるだろう。ユーザーの声に耳を傾けていきたい。
  • (ショートフランジバックで大口径のマウントの利点は理解しているが、不利な点はあるか?)
    Zマウントは、Fマウントと比較して画面全域に渡って均一に高画質を実現でき、カメラを薄くすることもできる。カメラをマウントよりも小さくできないことを除けば、このマウントには欠点はない。

DXのミラーレスに関しては明確な回答はありませんでしたが、要望が多ければ、DX機も登場しそうな雰囲気ですね。

また、Fマウント機の販売はZマウント登場後も非常に堅調で、ニコンは両マウント共に成長させていきたいと述べているので、Fマウントもまだまだ新製品が期待できそうです。