シグマ「70-200mm F2.8 DG OS HSM Sports」は70mm時とテレコン使用時の画質の改善が顕著

LensTipに、シグマの一眼レフ用の望遠ズーム「70-200mm F2.8 DG OS HSM Sports」のレビューが掲載されています。

Sigma S 70-200 mm f/2.8 DG OS HSM

  • 三脚座は回転可能で非常にしっかりとしているが、残念ながら取り外すことはできない。
  • フォーカスリングは見事な精度で滑らかに回転する。最短から無限遠までの回転角は、およそ140度だ。
  • 手ブレ補正の効果はテストでは3.3段分で、これは良好な結果ではあるが、メーカーの主張する4段分を少し下回っており、決してセンセーショナルなものではない。旧型の70-200mm F2.8の手ブレ補正の効果は3段分前後で、新型は若干の改善が見られる。
  • 中央の解像力はズームの両端では開放で既に43-44lpmm(良像の基準値は30-32lpmm)に達しており、F4では45-47lpmmに改善する。これはズームレンズとしては、とても素晴らしい値だ。135mmでは少し解像力が落ち込む(開放で37lpmm前後)が、幸いなことに絞ると素早く改善し、F4ではズーム両端と同程度の良好な値になる。

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  • 隅の解像力は、70mmでは開放でさえ良好な結果(34lpmm前後)で、F5.6では43lpmmの見事な解像力になる。重要な200mmでも、開放からF5.6で36-37lpmm前後の非常に良好なレベルだ。いくらか問題があるのは135mmだけ(開放で27lpmm前後)で、135mmでは実用的な画質を得るにはF4に絞る必要がある。

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  • 旧型のシグマ70-200mm F2.8 EX DG OSと比べると、中央の性能は非常に近いが、開放では少し新型が優れている。隅は、旧型は特に70mmの隅がかなり弱く、新型の方が優れている。
  • 軸上色収差は開放でもごくわずかで、全く問題はない。
  • 倍率色収差は、135mmでは0.02%以下の全く見えないレベルで、70mmでも0.04%程度の非常に低いレベルだ。200mmではF2.8とF4では0.04%だが、それより絞ると中程度のレベルまで増える。倍率色収差には全く不満はない。
  • フォーカスシフト(絞った時のピントの移動)は135mmでは見られないが、200mmとテレコン使用時の280mmでは絞ると奥側に若干ピントが移動する。
  • 歪曲は70mmで-0.64%のタル型、中間域で+1.32%の糸巻き型、200mmで+1.62%の糸巻き型で、旧型から広角側では改善しているが、中間域から望遠側ではむしろ悪くなっている。歪曲はニコンやキヤノン、タムロンの70-200mm F2.8に遅れを取っている。
  • コマ収差は、開放の隅でごくわずかに見られるだけで、申し分がないものだ。非点収差は7.1%で、完璧ではないが良好と言える値だ。
  • 玉ボケは称賛に値するが、周辺部では口径食が目立ち、F5.6まで絞っても解消しない。
  • 周辺光量落ちは70mm開放で43%(-1.60EV)、200mm開放で45%(-1.74EV)で、200mmでは旧型よりも4%改善している。
  • 逆光耐性はかなり厳しく、フレアとゴーストで台無しになることがあるが、これは太陽が画面の隅の外側付近にある場合だけだ。逆光耐性は広角側から中間域の方が良好で、望遠端では悪くなる。
  • AFは作動音は静かだが、最短から無限遠まで0.8-0.9秒で、速度に関しては感心しなかった。もちろん、フォーカスリミッターを使えばAFは0.4秒と顕著に高速化される。AF精度はスタジオでも屋外のテストでは非常に高く、ピントを外した画像は2%以下だった。前ピンや後ピンの傾向も見られなかった。
  • シグマの70-200mm F2.8は、旧型もカメラメーカー純正の70-200mm F2.8と互角に張り合っていたが、新型はいくつかの点で改善されている。旧型と比べると、新型は中央はそれほど顕著な改善は見られないが、隅は改善されており、特に70mm時とテレコン使用時の画質の改善が顕著だ。このレンズの良い点は非常に多いが、悪い点は2つだけ(周辺光量落ちと逆光耐性)だ。
  • 良い点:しっかりした防塵防滴でスタイリッシュな鏡筒、中央の全域で素晴らしい画質、隅の良好な画質、軸上色収差の問題が見られない、倍率色収差がわずか、歪曲が穏やか、コマ収差が適切に補正されている、非点収差が気にならない、ボケが素晴らしい、静かで正確なAF、1.4倍のテレコンとの連携が良好。
  • 悪い点:周辺光量落ちが大きい、逆光耐性をもう少し改善してほしい(特に200mm時とテレコン使用時)。

 

シグマの70-200mm F2.8 Sports は、旧型から画質の改善が見られ、特に70mm側やテレコン使用時の画質の改善はかなり大きいようです。

ウィークポイントとして指摘されているのは逆光耐性で、サンプルを見ると確かに条件によってはフレアやゴーストが盛大に出ることもあるようです。AFは速度はそれほど速くないようですが、精度は非常に優秀ですね。