パナソニック50-200mm F2.8-4 OISは全域でシャープだがボケがウィークポイント

OpticalLimits に、パナソニックのm4/3用の超望遠ズーム「LEICA DG VARIO-ELMARIT 50-200mm/F2.8-4.0 ASPH./POWER O.I.S. 」のレビューが掲載されています。

Leica DG Vario-Elmarit 50-200mm f/2.8-4 ASPH Power OIS - Review

  • 鏡筒は総金属製で造りは見事だ。ズームリングは良好な感触で、フォーカスリングも非常に滑らかだ。欠点はズームが自重落下する傾向があることで、ズームロックは用意されていない。三脚座が無いことを批判する人もいるかもしれないが、このレンズの重さなら三脚座はほとんど不要だろう。
  • AFは非常に速く、ほぼ無音だ。
  • 手ブレ補正の効果については公式には発表されていないが、実写テストでは(レンズのみで)3~4段分だった。
  • 歪曲は未補正でも、ズーム全域でわずかな糸巻き型(50mmで0.535%、200mmで0.725%)だ。
  • 周辺光量落ちは、未補正時では50mm開放時が最大で1.2EVになる。1段絞れば問題はなくなる。
  • 解像力はズーム全域で非常に高い。中央は全域でF2.8-5.6で素晴らしい値で、周辺部は50-100mmではとても良好~素晴らしい値で、100mmより望遠側でもとても良好な値を維持している。望遠端では若干の解像力の低下が見られるが、実写では気付かないだろう。像面の湾曲は非常に小さい。

pana_50-200f28-4_mtf_001.jpg

  • 倍率色収差は極めて低い値(最大で0.52ピクセル)で、実写では問題はない。
  • ボケは残念ながら問題ありで、特に玉ボケだ。玉ボケは内部がうるさいだけでなく、不均一だ。正直言って、玉ボケの内部にこのような奇妙なU字型の模様が見られるのは初めてだ。非球面レンズの研磨かレンズの貼り合わせの問題かもしれないが、いずれにしてもこのボケは理想からはほど遠いものだ。後ボケと前ボケはまずまずだが、輪郭が硬いので、もう少し滑らかならよかった。前後のボケはDG100-400mm F4-6.3と同じ傾向だが、このレンズの方が(輪郭の硬さが)顕著だ。

pana_50-200f28-4_bokeh_001.jpg

  • 50-200mm F2.8-4 は1つの点を除いて優れたレンズで、ズーム全域でシャープで歪曲や色収差もわずかだ。最大の弱点はボケで、玉ボケの内部は奇妙な構造で、後ボケも状況によってはうるさくなる。造りは高品質だが、ズームの自重落下は少々厄介だ。シャープなズームが必要なら、このレンズが最もよい選択だが、ポートレート等でボケが重要なら他のレンズを選んだほうがいいだろう。

 

50-200mm F2.8-4は全域で非常にシャープで発色もとても綺麗ですが、ボケがうるさいのは少々残念ですね。とは言え、実写サンプルを見るかぎりでは、ボケはテスト画像よりも滑らかに見えるので、実写ではそれほど問題はないような気もします。