オリンパスは今後もm4/3以外のフォーマットを採用する計画は無い

DPReview に、オリンパスアメリカのセールス・マーケティング部長のインタビューが掲載されています。

Interview: Aki Murata of Olympus - 'Full-frame isn't for everybody'

  • (E-M1Xの投入でプロ戦略はどのように変わった?)
    E-M1Xは、プロ市場におけるオリンパスの立場を大きく変えた。150-400mm発表後に、野生動物、野鳥、スポーツ撮影のカメラマンから多くの問い合わせがあり、価格発表前にもかかわらず、多くの先行予約があった。
  • (E-M1X購入者の既存のオリンパスユーザーと新規ユーザーの比率は?)
    当初は、ほとんど既存のオリンパスユーザーが購入していたが、最近は既存のユーザーと新規ユーザーが半々だ。野生動物やスポーツ分野の多くのカメラマンが、オリンパスに移行している。
  • (OM-Dの進化につれて、プロやセミプロの市場がより重要になると思うか?)
    間違いなくそうなる。多くのエントリーレベルの製品があるが、この市場はもはやそれほど大きくはない。全てのメーカーは値下げで、販売のボリュームを確保しようとしている。プロだけでなく、より高画質を望んでいるハイアマも重要だ。
  • (ハイアマやプロ向けの中期的な製品戦略は?)
    動体を撮影する人のために、超望遠レンズを更に投入する。これはフルサイズとm4/3の違いがわかる領域で、小型軽量でも非常に品質の高いレンズを製造する予定だ。風景写真家用には、小さなプロ用レンズを造りたいと思っている。
  • (E-M1Xは強力なカメラだが、OM-Dの初期のコンセプトから大きく変わっている)
    E-M1Xは以前と比較して大きなカメラだが、機能を考えれば、まだ十分に小さい。多くのカメラマンが「思ったよりも小さい」と言っている。サイズと重量の利点はレンズにもあり、150-400mmは世界を変えると信じている。2000mm相当のレンズの手持ち撮影は驚異的なことだ。
  • (E-M5 Mark III のターゲットは?)
    このカメラは、ワンダラー(世界中を探索して写真を撮る人)にアピールすることを目的としている。このカメラは世界の探索に最適なカメラだ。
  • (読者の多くがm4/3は高いという反応を示しているが?)
    m4/3の利点の一つが単一のフォーマットだということで、カメラを交換してもフォーマットを変更する必要はない。もう一つは、米国では大きいほど良いという強固な考え方があり、非常に暗い場所での撮影や大伸ばしではフルサイズは良い選択肢だが、レンズを含めたシステム全体のサイズに価値を見出す人にはOM-Dがより優れているということだ。

    米国ではフルサイズの市場は18%で、今後フルサイズが30%や50%になると言っている人がいるが、私はそうは思わない。フルサイズは万人向けではない。自分にとって何が重要なのかを考える必要がある。携帯性が重要なら、最初の選択肢としてE-M5 Mark III またはE-M1 Mark II を選択すると確信している。
  • (高感度性能や大きなプリントを必要とする写真家をm4/3に惹きつけたいという野望はあるか?)
    ある。いつか技術の進化で、m4/3の不利な点が克服されるだろう。そうなると、サイズの小ささと軽さ、我々の高品質なレンズが残ることになる。現在、より大きセンサーを必要としている人はいるが、将来もそうだとは限らない。
  • (将来もフォーマットはフォーサーズのみ?)
    イエスだ。それは変わらない。フォーサーズフォーマットは進化するが、変更する必要はない。(他のフォーマットの)計画はない。

 

各社が次々にフルサイズミラーレスに参入しましたが、オリンパスはm4/3フォーマット一本で行くと明言しているので、今後もフルサイズへの参入はなさそうですね。オリンパスは、レンズを含めたシステム全体の小ささをウリに他社と勝負するつもりのようです。

また、エントリー市場の縮小に対応するために、今後はプロやハイアマ向け製品に注力すると述べられていますが、これは他の多くのカメラメーカーと同じような戦略ですね。