キヤノン「RF70-200mm F2.8L IS USM」はズーム全域で開放から極めてシャープ

OptocalLimits に、キヤノンのEOS R用の望遠ズーム「RF70-200mm F2.8L IS USM」のレビューが掲載されています。

Canon RF 70-200mm f/2.8 USM L IS - Test Report / Review

  • 鏡筒は繰り出し式だが、造りは、このような高価なレンズへの期待に沿う見事なものだ。鏡筒の素材は金属ではないが、しっかりとした感触だ。
  • ズームリングとフォーカスリングは滑らかに回転する。フォーカスリングはバイワイヤ(モーター駆動)で正確に動作する。ズームの自重落下は見られなかったが、ロック機構は備わっている。
  • このレンズは、いくらかフォーカスブリージングが見られ、動画に理想的とは言えない。
  • AFは2つのナノUSMが搭載されており、AF速度は驚異的で、このクラスのレンズでは他に並ぶものがない。
  • このレンズの歪曲はごくわずかで、未補正の画像では70mmで1.2%のわずかなタル型、中間域から望遠域では糸巻き型(200mmで0.755%)になる。
  • 周辺光量落ちは、未補正の画像では70mm開放では1.2EVの穏やかな値だが、200mmでは2.6EVと望遠レンズとしては非常に大きい値になる。F4に絞ると、周辺光量落ちは大幅に改善し、F5.6でほとんど解消する。
  • 解像力は、ズーム全域で中央は開放から素晴らしい値で、隅はとても良好な値だ。F4に絞ると更に改善し、中央は際立った値になり、隅は素晴らしい値になる。このレンズはズーム全域で極めてシャープだ。

canon_rf70-200f28_mtf_001.jpg

  • 像面の湾曲は非常に小さい。
  • 倍率色収差は周辺部で平均1ピクセルを下回っており、非常に少ない。
  • 玉ボケは、輪郭が付かず内部は非常に滑らかで単焦点レンズレベルだ。玉ボケの円形はF4まで維持されており、F5.6でも絞りの形はわずかしか見られない。前ボケは非常に滑らかで、後ボケもまずまずだが、いくらか輪郭に硬さが見られる。
  • 軸上色収差(ボケの色付き)は、F2.8では見られるものの極端に目立つわけではない。F4では色付きが改善し、F5.6ではわずかな痕跡が残るだけになる。
  • 軸上色収差のテスト画像から、絞った際にピントが後ろに移動するフォーカスシフトが見て取れる。キヤノンは、この問題をACTIVATED AFで改善する新しいファームウェアをリリースしているが、その対策があったとしても、これは若干残念な点だ。
  • レンズのサイズが巨大化する傾向がある現在において、RF70-200mm F2.8L IS USMのサイズには感心するしかない。ズームが繰り出し式になっているが、これは好みの問題で、画質に影響はない。
  • このレンズは、ズーム全域の全ての絞り値で極めてシャープで、倍率色収差も歪曲も少ない。ただし、周辺光量落ちはこのクラスのレンズとしては大きすぎる。ボケは非常に良好で玉ボケは特に素晴らしい。フォーカスシフトは少々厄介で、AFで使用する場合は心配はないが、MFでは問題が発生する可能性がある。
  • いつかの小さな問題はあるが、このレンズには何も悩むことなく「大いに推薦」のバッジをつけられる。しかし、そうではあってもこの価格は高いとしか言いようがなく、多くのハイアマの許容範囲を超えている。このような(レンズが高価になる)傾向が続くなら、メーカーはミラーレス市場を壊してしまうことになるだろう。願わくば、キヤノンにはF4のより手頃な価格のズームを提供して欲しい。

 

光学性能の評価は5点満点中4.5点で、このサイトとしては極めて高い評価になっています。RF70-200mm F2.8L IS USMはEFと比べて大幅に小型化されましたが、ズーム全域で開放から見事な解像力で、光学性能は犠牲になっていないようですね。

フォーカスシフトは少し気になるところですが、AFではピント位置が自動補正されるようなので大きな問題はなさそうです。ただ、MFで使う場合には注意が必要かもしれません。