ソニー「FE28mm F2」はF2.8までは周辺部がかなり甘い

OpticalLimits に、ソニーの広角単焦点レンズ「FE28mm F2(SEL28F20)」のレビューが掲載されています。

Sony FE 28mm f/2 (SEL28F20) - Review / Test Report

  • このレンズは比較的明るいにもかかわらず非常にコンパクトで、重さも200グラムと驚くほど軽い。鏡筒はフォーカスリングを含めて金属製でシンプルだが、造りはとても良好だ。
  • フォーカスリングは滑らかに回転する。フォーカシングでレンズの全長は変わらない。
  • AFはリニアモーターで、作動音は無く、AF速度はまずまず速い。マニュアルフォーカスはバイワイヤ(モーター駆動)で、動きは申し分なく、正確なピント合わせができる。
  • 歪曲は自動補正有効時は0.2%のタル型で、ほぼ歪曲は見られない。未補正では歪曲は3.7%で、酷い値ではないが、誇れるようなものではない。
  • 周辺光量落ちはF2開放時で2.92EVで、F2.8に絞ると1.66EVに改善するが、可能ならF4まで絞りたい(F4で1.09EV)。それ以上に絞っても周辺光量落ちは解消はしない。自動補正を有効にしてもF2では周辺光量落ちは1.5EVで、かなり目立つ。
  • 中央の解像力はF2から非常に良好だが、周辺部に行くと解像力は急速に低下し、単焦点レンズとしては酷い値になる。F2.8に絞ると中央は改善するが周辺部と隅は甘いままだ。F4まで絞ると状況は変わり、中央は見事な解像力になり、周辺部も良い~とても良い解像力になる。

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  • 色収差は自動補正を使えば全く問題ないが、未補正の状態では開放で平均1.7ピクセルで、単焦点にしては凡庸だ。
  • ボケは後ボケは非常に滑らかで、前ボケもほとんど同じだ。玉ボケは内部がうるさく、それほど綺麗ではないが、輪郭は柔らかで、F4まで円形が保たれている。口径食は開放では見られるが、隅でも比較的穏やかだ。
  • FE28mm F2では、ソニーが価格を抑えるために、多くの妥協をしなければならなかったことは明らかだ。解像力は控えめに言ってもバランスが取れておらず、中程度まで絞り込めばシャープになるが、F2とF2.8では周辺部と隅がかなり甘い。しかし、自動補正を使えば、それ以外の大きな弱点は目につかないだろう。
  • 単焦点の存在理由は、ズームにはない何かを提供するためのはずだが、それはFE28mm F2の場合は1~2段ズームより明るいことだ。問題はそれだけの理由で、このレンズを購入するかどうかということだ。

 

光学性能の評価は2.5点(満点は5点)で、単焦点レンズとしては少々厳しい評価になっています。解像力は中央は優秀ですが周辺部と隅はかなり甘く、最近登場したソニーのレンズのと比べると、数値的には少々見劣りするのは否めないですね。

とは言え、サンプルを見る限りでは、絞れば遠景もシャープで、ボケも広角としては綺麗で、なかなか良く写るレンズという印象です。