ニコンはミドル~ハイエンドクラスのカメラに注力する

Lensvid に、ニコンヨーロッパの副社長のインタビューが掲載されています。

Interview with Vice President of Nikon Europe

  • (この10年でカメラの販売台数は1億2000万台超から1500万台未満に減少しているが、この業界の変化について、ニコンはどのように考えているのか? 全てスマートフォンが原因なのか?)
    スマートフォンによってカメラ市場は大きく変化したが、スマートフォンでは実現できない、より高画質な画像や動画のニーズはまだあることが分かった。これらのニーズは中級~ハイエンドユーザーからのもので、今後はこのクラスに注力する。
  • (カメラ市場の縮小はいつ止まるのか。十分な大きさの市場が残ると思うか?)
    市場規模と縮小が止まるタイミングの予測は難しいが、ハイアマとプロの市場はなくならないと予測している。我々は革新的な製品の開発を続ける。
  • (新型コロナウイルスの影響は? 中国製の部品にどれだけ依存しているのか?)
    現在、影響を調査しているところなので、詳細はコメントできない。一部の部品やアクセサリーは中国で生産しているため、何らかの影響はあるだろう。
  • (D6はネット上でα9 II やEOS-1D X Mark III と比べて革新的ではないという批判をかなりうけた。小幅なアップグレードのみなら、D5Sという名称の方が理に適っているのでは?)
    大幅に性能が向上した場合にのみ、モデル番号を更新する。D6は、ニコンのカメラで最高のAFシステムを備えており、画像処理エンジンや操作性がアップグレードされ、Wi-FiやGPSなどの機能が追加されている。これらの多くのアップグレードを考慮して、このカメラをD6と名付けた。新しいAFシステムは、スポーツや野生動物、報道写真家の間で高い評価を得ている。
  • (D6にボディ内手ブレ補正が搭載されるという噂があった。Z6/Z7に搭載されている手ブレ補正を、ずっと大きなボディのD6に搭載できない理由は?)
    D6の主要なターゲットユーザーは、光学ファインダーを使用するスポーツ、野生動物、報道の写真家だ。手ブレ補正による光学ファインダーと画像の間のギャップが望遠レンズでは目立つので、D6では手ブレ補正を搭載しないことにした。
  • (D780ではZ6/Z7のAFテクノロジーを追加したが、D6でそうしなかったのはなぜ?)
    D6のターゲットユーザーはスポーツ、野生動物、報道で、ほとんどの場合OVFを使用するので、ユーザーにOVFで最高の性能のカメラを提供することを考え、OVFのAFを改善することにした。
  • (スマートフォンなしで、カメラからSNSにボタン一つで画像を送信する機能を追加する頃合いだと思わないか?)
    カメラとスマートデバイス間のギャップを埋めることが強く求められている。スナップブリッジは、カメラメーカーのアプリでは最高の評価を得ており、市場動向を注意深く観察して、ユーザーの要望を満たしたい。

 

カメラ市場の縮小に伴って、多くのカメラメーカーが上位モデルに力を入れるようになってきていますが、ニコンもやはりミドル~ハイエンドに注力するようですね。

D6はカタログ上で目を引くような派手な新機能等はありませんが、スポーツ用のプロ用機なので、OVF時のAF性能さえよければ満足というユーザーも多そうですね。オリンピック終了後に、D6がどのような評価になるのか注目したいところです。