･Canon RF 24-70mm f/2.8 USM L IS - Review / Test Report
- このレンズはEF版の24-70mm F2.8と比べると若干重いが、全長は約1cm短くなっている。鏡筒の造りは、プログレードレンズに期待した通りのもので、全てがしっかりと組み立てられている。フォーカスリングとズームリングも滑らかに回転する。
- ナノUSMは、リングUSMのスピードとSTMの滑らかさを併せ持つもので、AFは極めて速く作動音もしない。マニュアルフォーカスは、バイワイヤ（モーターによる駆動）だ。
- 手ブレ補正は公称値では5段分だが、実写ではそれより1段程度低い効果だ。
- 歪曲は24mmでは陣笠状の複雑なタル型で、数値的には-2%でそれほど大きくはないが、歪曲には気が付く。35mmでは歪曲はほとんどなくなり、望遠側では糸巻き型に変わる。自動補正を有効にすると、歪曲はほとんどなくなる。
- 周辺光量落ちは、大きな前玉にもかかわらず、24mm開放ではかなり大きい値（-3EV）だ。絞ると改善する（F4で-2.18EV、F5.6で-1.83EV）が、期待ほど改善せず、F8でも周辺光量落ちは-1.6EVでまだ目立つ。望遠側では周辺光量落ちは、それほど大きい値ではないが、それでも開放ではかなり目に付く。自動補正を有効にすると、周辺光量落ちは大幅に改善するが、広角側ではまだ目に見える（24mm開放で-1.19EV）。
- 24mmの解像力は中央とその付近は開放から極めてシャープで、周辺部もとても良好だが、隅は開放では今一つだ。F4に絞ると隅も改善し、F5.6では非常にシャープになる。一番性能がよくなるのは50mm前後で、この焦点距離では弱点は見られない。70mm開放では中央付近は見事だが、周辺部は良好のレベルまで落ち、隅は少し甘い。F5.6まで絞ると隅の問題はほぼ解消する。このレンズは全体的に非常にシャープだが、弱点もある。
- 倍率色収差は概ねとても小さい値だが、自動補正OFFでは、24mmでは目につく（開放時で1.33ピクセル）。
- 玉ボケにはリングボケが見られ、理想的なものではないが、円形絞りのおかげでF5.6までは円形を維持している。画面の隅では口径食が見られるが、他の多くのレンズより口径食は目立たない。前ボケと後ボケは、いずれも非常に滑らかだ。
- 軸上色収差（ボケの色付き）は、開放ではっきりと見えるが、F4で改善し、F5.6ではわずかになる。
- RF24-70mm F2.8L は、これまでテストした大口径標準ズームでベストのレンズだが、欠点がないわけではない（標準ズームで欠点の無いレンズは存在しない）。このレンズは中央は極めてシャープで周辺もハイレベルだが、開放では隅は少し甘い。また、周辺光量落ちもかなり目立つ。しかし、実写では非常に高性能で、いくつかの問題点も自動補正を使えば改善する。プロ用の非常に望ましいレンズだが、価格は高すぎる。
RF24-70mm F2.8L ISは、これまででベストの大口径標準ズームという評価ですが、光学性能の評価は5点満点中3.66（3と2/3）点で、やはり設計の難しい標準ズームなので、ベストと言ってもそこまで高性能というわけではないようです。
解像力は広角側の開放では落ち込みますが、F2.8の標準ズームとしては比較的落ち込みは少ないという印象です。ただ、周辺光量落ちの大きさは少々気になるところですね。
赤い自転車
このレンズ、標準ズームとしてはベストだけど・・・との評価どおりのレンズだと思います。
標準ズームの中では年輪ボケなどまだ少ないほうですが、もう少し頑張って欲しかった。まあ、使ったことのある標準ズームの中では１番良いのですが。
周辺光量落ち、自動補正を切ると広角側では確かに目立ちます。普段は補正機能を使うので気付いていませんでした。
使いようによっては面白い写真が撮れそうで、ありがたい情報です。
電卓
所有のレンズがこのような評価なのは嬉しいです。
もう少し軽ければよいですが、これからはそういうのも望めそうもないですね。