パナソニック「S 20-60mm F3.5-5.6」は画面の隅々までシャープなレンズ

Photography Blog に、パナソニックのコンパクトな標準ズーム「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」のレビューが掲載されています。

Panasonic Lumix S 20-60mm F3.5-5.6 Review

  • このレンズは全長87.2mm、重さ350グラムで非常に小型軽量だ。鏡筒の造りも素晴らしく、ずっと高価なS PROシリーズと同様に金属製で防塵防滴仕様となっている。S PROシリーズと異なるのは、フォーカスクラッチ機構が無いことだ。
  • 最短撮影距離15cm、最大撮影倍率は0.43倍(26mm時)の近接撮影が可能で、実に汎用性の高いレンズだ。
  • フォーカスブリージングは見られるが、最小限に抑えられている。
  • ズームリングは滑らかに回転する。現在の焦点距離がモニタに表示されるが、このズームリングは1mm単位で正確に焦点距離を変更するのも容易だ。ズーミングでレンズは33mmほど繰り出す。フォーカスリングの使い勝手も良好だ。
  • AFはスチルでは見事な速さで、作動音もしない。この静かなAFはもちろん動画でも重宝する。とりわけ気に入ったのが動画のAFで、スチルとは挙動を変えており、速すぎることも遅すぎることもなく、シルクのように滑らかにピントが移行し、迷いも最小限に抑えられている。
  • 手ブレ補正は搭載されていないが、S1Rには5.5段分の効果の手ブレ補正があるので問題はない。電子手ブレ補正やブーストISを併用すれば、手持ちで安定した動画撮影が可能だ。
  • 色収差は自動補正をOFFにしてテストしても、ほとんど見られなかったが、広角端で逆光時の木の枝などのコントラスト高い被写体では青い色ズレが見られた。この色ズレはF11まで絞り込むとほぼ解消する。
  • ボケの色付きは見られなかったが、これは暗いレンズなので、驚くようなことではないかもしれない。
  • 周辺光量落ちは、未補正のRAWでは広角端では目立つが、F5.6まで絞ればほとんど解消する。望遠端では開放のF5.6でも周辺光量落ちは目立たない。
  • 歪曲は広角端の20mmでも小さく、良く補正されていることに驚いた。24mmでは歪曲はほとんど見られなくなり、60mmでも歪曲は見られない。
  • 全体として、このレンズは周辺光量落ちや歪曲収差がしっかりと補正されているのが印象的だ。
  • 逆光耐性は、太陽を直接画面に入れた場合にはフレアはでるが、全く問題はない。
  • ボケはまずまずだが、絞り羽根の形が目立つ。
  • 解像力は、開放では若干の柔らかはあるものの、全ての絞り値で隅々まで中央と同様の画質が維持されているのが印象的だ。このレンズは解像力の点では開放でも躊躇なく使える。このレンズのシャープさには驚かされた(※ズーム全域でほぼ同じ評価です)。
  • このレンズは他にはないズーム域で小型軽量で安価だ。鏡筒はPROシリーズとほとんど変わらない頑丈な造りだ。AFは電光石火で、静かで、そして動画では滑らかだ。画質も全域で非常にシャープで、隅の解像力低下がほとんど無いのが素晴らしい。歪曲も少ない。とろけるようなボケは期待できないが、コンパクトで汎用性の高いレンズだ。

 

パナソニックの20-60mm F3.5-5.6 は軽量コンパクトで比較的安価なレンズですが、全域で画面の隅までシャープで、かなり優秀なレンズのようです。

20mmスタートにもかかわらず、広角端の開放時でも周辺部まで十分に解像しているのは素晴らしいですね。歪曲や周辺光量落ち、色収差なども良く補正されていて、鏡筒のクオリティも非常に高いので、コストパフォーマンスは抜群と言ってもよさそうです。