オリンパスはこれまで以上にハイエンド製品に力を入れていく

DPReview に、オリンパス映像開発本部長の片岡摂哉氏のインタビュー記事が掲載されています。

Olympus interview

  • (映像部門の売却による直接的な影響は?)
    映像部門の売却は映像事業からの撤退を意味するものではない。我々は、他にはないワクワクするような製品を提供し続けるつもりだ。もちろん売却後の経営や組織の体制は変化するが、これは事業の安定化と組織の強化のためのものだ。映像事業の売却の影響はポジティブなものだと思っている。全て順調に進めば、2021年1月に新会社が設立される。

  • (新型コロナウイルス蔓延の前から映像事業部の売却が検討されていたのか?)
    新型コロナウイルスの蔓延は映像事業に影響は与えたが、事業売却の決定と直接の関係はない。

  • (新会社ではカメラとレンズの生産は、これまでと同じ工場で同じペースで継続されるのか?)
    生産体制についてはまだ検討中で、現時点では詳細は言えないが、生産に問題はないので安心して欲しい。現行モデルの生産は継続する。

  • (映像事業売却は悲しい日だったが、それとも将来を楽観的に見ているか?)
    悲しい日だとは全く思っていない。今回の事業売却で映像部門が分社化されるが、これは今後の成長のチャンスだと思っている。JIPは事業投資ファンドで、そのビジョンは、長期的な経営支援によって事業を活性化させ成長させることだ。

    この事業売却は、オリンパスの技術、製品、サービス、そしてオリンパスブランドの遺産を守るために最善のステップであると考えている。今後も顧客に満足のいく製品を提供していく。ユーザーに不都合なことはおこらないだろう。

  • (製品のラインナップは縮小されると思うか?)
    これまで以上にハイエンド市場(レンズ交換式のハイエンドカメラとレンズ)に注力していくつもりだ。戦略的な理由で、製品ラインナップが変更される可能性はあるかもしれないが、単に製品数を減らす計画はない。

  • (映像事業の売却は、製品の保証とサポートに影響するのか?)
    影響はないので安心して欲しい。
  • (カメラが「オリンパス」ブランドでなくなる時が来るのか?)
    オリンパスのブランドの問題はまだ検討中だが、事業売却後にすぐにオリンパスブランドの利用をやめる予定はない。OM-D、PEN、ZUIKOなどの名称は引き続き使用する。

  • (OM-Dシリーズはよりハイエンドなシステムに進化すると思うか?)
    小型軽量化だけでなく、高解像力のレンズや強力な手ブレ補正、優れた耐候性など、他社にはない技術があり、これらの技術がどう進化するのかは分からないが、今後もm4/3システムを開発して、ネイチャーやアウトドアの分野など、製品の独自性を活かせる分野に力を入れていきたい。

  • (E-M1Xで一眼レフを使っている写真家の取り込みを表明していたが、それは実現したのか?)
    E-M1XはE-M1シリーズやE-M5シリーズほど売れていないが、多くのプロに受け入れられている。現在E-M1Xの鳥検出用のAFを開発しており、ED150-400mm F4.5と共に、多くのプロを満足させることができると確信している。

  • (ED150-400mm F4.5はプロ戦略にとって重要なのか?)
    野生動物やスポーツだけでなく、望遠ズームを必要とする全ての顧客にとってこのレンズは特別な選択肢になると考えている。このレンズはm4/3システムの優位性を象徴するもので、フラッグシップと呼んでもいいかもしれない。1000mm相当の手持ち撮影が可能で、革新的な技術が詰め込まれている。このレンズは映像事業の新たな一歩を象徴する製品になるだろう。

  • (厳しい市場環境の中で、オリンパスのカメラのレンズの最大のチャンスはどこにあると思うか?)
    他にはない独自の製品に誇りを持っており、特に軽量コンパクトなことが大きな魅力だ。これは機動性という点で、明確なメリットとなる。

  • (写真ブランドとしてのオリンパスは、1年後にはより強い立ち位置にいると思うか?)
    私は本当にそうなると思っている。1年後には我々の立ち位置はより強固なものになっていると思う。2020年に予定されている新製品の発表を変更する予定はない。我々は引き続き新製品の発売に注力していくので、期待して欲しい。

 

映像事業売却の影響が気になるところですが、今後も新製品が登場し、製品のサポートも継続されるようなので、少なくとも短期的には、ユーザーには大きな影響はなさそうですね。

今後はハイエンド製品に力を入れていくということなので、ハイアマやプロ向けの製品は充実するかもしれませんが、E-PLシリーズやE-M10シリーズなどのエントリーラインナップがどうなるのか気になるところです。