ソニー「α7S III」のローリングシャッターは極めて速い

DPReview に、ソニーα7S III の12MPセンサーのローリングシャッターとデュアルゲインに関するテスト記事が掲載されています。

Sony a7S III initial review

  • α7S III は、スチルに主眼を置いた汎用性の高いカメラとは異なるアプローチを採用しており、高画素で細部のディテールを追求するのではなく、4Kに必要最低限の画素数よりも若干多いだけの画素数を採用している。

    このアプローチの利点は、センサーから読み出すデータが少なくなることで、これはローリングシャッター効果のリスクが少なくなることを意味している。様々な動画モードで、α7S III のローリングシャッターのレートを測定した。

    - 4K60p/30p/24p :8.7ms
    - 4K120p : 7.7ms
    - 4K60p/30p/24p Steadt shot 有効 : 7.8ms

    センサーの全幅を使用するモードでのローリングシャッターレートが、120fpsの撮影に必要な8.3ms(1/120秒)にわずかに足りず、これが4K120pのためにクロップが必要な理由と、そのクロップ倍率がそれほど大きくない理由を示している。

    10msを下回るローリングシャッターレートは、一般的に優秀な値とみなされており、歪みが見られるのは、非常に速く動く被写体だけだ。

    1つだけテストを行っていないのは、16bitRAW出力時の読み出し速度が変化するかどうかという点で、センサーは低いbit数の方が速く読み出せるので、内部で14bitで読み出している場合は、16bitモードではローリングシャッター効果が目立つ可能性がある。

  • α7S III には他の大型センサーを採用するカメラと同様に、デュアルゲインが採用されている。これは高感度時に、高ダイナミックレンジの読み出し回路から低読み出しノイズの回路に切り替える機能だ。

    ベースのISO感度はカメラモードのトーン/ガンマカーブによって変わるので、回路を切り替えるISO感度は使用するピクチャープロファイルによって異なる。我々のテストでは、α7S III はベースの感度から4.66EVで高ゲインの回路に切り替わることが示唆されている(α7Sとα7S III は4.33EV)。

    スタンダードカラー:ベースISO80、ゲイン切り替えISO2000
    S-Log2 /3 :ベースISO640、ゲイン切り替えISO16000

    以前のソニーのカメラと同じように、ゲイン切り替えの通知は一切ないが、切り替え点付近の感度で撮影している場合は、高いゲインに移行する方が良いかもしれない。

 

ローリングシャッターのスキャン速度が速いと言われているLUMIX S1がUHDで22ms(cined調べ)、α9でも動画時は13.3ms-25ms(ImagingResource調べ)程度なので、α7S III の動画時のスキャン速度7.8-8.7msは、極めて速いですね。これだけ、読み出しが速ければ、速く動く被写体でも歪みをあまり気にせずに撮影できそうです。