キヤノンが、RFマウントを初めて採用したCinema EOS「EOS C70」と、0.71倍のレデューサーを内蔵したマウントアダプター「EF-EOS R 0.71x」を正式に発表しました。
・Canon announces the EOS C70(DPR)
- キヤノンが、スチル用のミラーレスカメラに似たボディのデジタルシネマカメラ「EOS C70」を発表した。C70はRFマウントを採用した初のCinema EOSとなっている。
- センサーは新世代のデュアルゲインテクノロジー(DGO)を採用したSuper35センサーで、それぞれのピクセルごとに異なるゲインレベルで読み取ることができ、第一にハイライトの飛びと色飽和を防ぎ、次に暗部のノイズを抑制する。
- このDGOの機能の組み合わせで、DCI 4K60pと2K120p(Super16クロップ)で16段分以上のダイナミックレンジを実現する。ダイナミックレンジを拡張しない場合は4K120pと2K180pの録画が可能だ。
- 他の魅力的な機能としては、デュアルピクセルAF、電動の10段分のNDフィルタ、C-Log2/C-log3、HDR用のPQとHLGガンマ、2つのミニXLRマイク入力、13個のカスマイズボタン、カスタムインカメラLUTがある。
- エアインテイクシステムによる冷却で、長時間の録画が可能だ。この冷却システムはホコリや湿気が機器内部に入らないようにするために、カメラの密閉区画の外側にある。
- 背面のモニタは3.5インチ276万ドットでEVFは搭載されない。おそらく、キヤノンは外部モニターを装備したリグを組む事を想定しているのだろう。
- C70と共に、EFマウントレンズを取り付けるためのマウントアダプター「EF-EOS R 0.71X」も発表された。このアダプターは、レンズを1段分明るくしながら、Super35センサーでEFレンズを元の画角で使用することができる。
- EOS C70の価格は5499ドルで発売は11月、EF-EOS R 0.71xは599ドルで12月に発売される。
EOS C70は、ファインダー非搭載にもかかわらず一眼レフのようなペンタ部がある面白いデザインですね。
センサーはピクセル単位でゲインを切り替える新世代のDGOが採用され、ダイナミックレンジは16段+αとかなり広くなっているようです。このセンサーの技術が、コンシューマー機に下りてくるのが楽しみです。
冷却システムも大きなスリットを備えているので、スチル機のようなオーバーヒートの心配はなさそうですね。
あと、スピードブースターのような、レデューサーレンズを備えたマウントアダプター「EF-EOS R0.71x」も興味深いもので、カメラメーカー純正ではこの種の製品は初めてのでしょうか。もし、RFマウントでAPS-Cのスチル機が登場すれば人気のアイテムになりそうですね。
[追記] 国内でも正式発表されました(製品ページ)。C70は国内では11月中旬の発売となっています。
VG30
RFマウントのシネマカメラということで、業務レベルでも充分なスペックを持ちつつ小型軽量で撮影の幅が広がりそうです。期待感がある一方、デザインと操作系は結構不安です。想像ですがこれ結構使いづらそう…
yunagi
ピクセル単位でゲインを切り替えるって何げにすごい技術なのでは?
ミック兄さん
モニターレスなんだ。
Canon純正で汎用性の有るEVFや外付け4Kモニター出さないかな?
ATOMOSやZACUTOはメニューが英語なので面倒くさくて、、、。(苦笑)
レデューサーは使いやすそう。
トータルの金額安くつくのでインディーズの映画撮影とか捗りますね。
屋敷荒らし
モニター、バリアングルで付いてますね。EFレンズ純正アダプターで使えるし、コストも安くできそう。
あらし
シネマカメラでの本格的撮影の手持ちは聞いた事がなく、基本的にジンバル利用を前提としていて、私は使いづらいとは思いませんね。
この技術が下のクラスに降りてくるのが楽しみです。
4の3
外観を一眼レフに似せているのは、スチルのハイアマチュアユーザーをこのような本格的な動画機材のユーザーに引き込んでいくための戦略のように感じます。
不思議と動画に弱い私も、触ってみたい、操作を理解したいと思ってしまいます。
GH5S
必要なところをちゃんと拡張して使えるカメラをめざした感じに好感が持てます。
流行りのラージセンサーにしなかったところに疑問を感じますが、新しいセンサーの実力を見てみたいですね。
ナチュラルナイロン
>GH5S様
ラージセンサーの流行はミラーレス一眼、要はスチルカメラ市場の話であって、シネマカメラはsuper 35mmが標準(流行ではなく)です。一見低スペックと思われるかもしれませんが、シネマカメラユーザーの前提にあるのが文字通り映画なので、むしろフルサイズでは駄目で、super 35mmでなければなりません。最近のVロガーやYoutuber等はsuper 35mmよりフルサイズを選ぶのかもしれませんが、映画への憧れが強い古参の動画ハイアマはsuper 35mmが序列の最高位にあります。ミラーレス機にsuper 35mm機能がついているのはクロップ機能を使いたいからではなく、やはりそれが特別なサイズなのです。