キヤノン「RF85mm F2 MACRO IS STM」と「EF85mm F1.8 USM」は解像力とコントラストで大きな違いがある

Camera Labs に、キヤノンのEOS Rシリーズ用の中望遠単焦点レンズ「RF85mm F2 MACRO IS STM」と「RF85mm F1.2L USM」「EF85mm F1.8 USM」との比較レビューが掲載されています。

Canon RF 85mm f2 Macro review

  • RF85mm F1.2LとRF85mm F2、EF85mm F1.8のポートレートのサンプルを並べて比較すると、2本RFレンズはEF85mm F1.8に比べてコントラストが高く切れ味で大きな違いがある。精査すると、非常にシャープな2本のRFに対し古いEFはディテールがかなり甘く見える(EFなピントが少し甘く見えるが、サンプルは複数回撮影して最も良い結果のものだ)。EF85mm F1.8は30年前のレンズで、EOS R5のような高解像度のカメラを想定して設計されていないことを忘れないで欲しい。

  • 玉ボケは同じ絞り値での比較だと3本にそれほど大きな違いはない。しかし、絞るとEF85mm F1.8は絞り羽根の八角形の形状が目立つ。RF85mm F1.2Lは9枚羽根でEFより少し絞りの形は目立たないが、最も丸い形状を維持しているのはRF85mm F2だ。

  • 遠景のF2の絞り値での比較では、中央は3本ともシャープに見えるが、細部を見るとEF85mm F1.8はRFの2本よりも少し甘い。RF85mm F2は、RF85mm F1.2Lよりも少しシャープだ。しかし隅は予想通り、2本のRFが30年前のEFを容易に上回る画質だ。EFもF5.6からF8に絞ればRFと同レベルの解像力が得られるが、開放から高解像力が欲しい場合はRFだ。(※下の画像は周辺部の比較)

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  • AFはRF85mm F2はスチルでかなり作動音が聞こえるが、動画では動きが遅くなりずっと静かになる。RF85mm F2のSTMはUSMほど速くはないが、テストではキビキビと動くとと感じた。

  • RF85mm F1.2LはUSMだが、RF85mm F2と同じか若干遅いAF速度で、これはレンズが大きいためにUSMのメリットが相殺されたのかもしれない。古いEF85mm F1.8 は、USMのおかげで最もAFは速く静かだ。これは30年前のレンズとしては素晴らしい。しかし、EFはEOS R5/R6と組わせると連写速度が低下する(RFの12fpsに対しEFは6.8fpsだった)ことに注意が必要だ。

  • RF85mm F2の手ブレ補正は、レンズ内補正だけで公称5段分(R5/R6との協調動作で8段分)で、実写ではR5で4~6段分の効果で、ボディ内手ブレ補正非搭載のRPでは3段分の効果だった。比較のために、RF85mm F1.2LとR5の組み合わせでは4段分の効果だった。

  • RF85mm F2は古いEF85mm F1.8と比べると、全体的な画質、接写性能、連写速度の点で優れており、RF85mm F1.2Lと比べると手頃な価格だ。RF85mm F2は魅力的な描写で、便利なマクロ機能とISも搭載されており、EOS Rのユーザーは悩む必要はないだろう。RF35mm F1.8と共に、大いに推薦する。

 

RF85mm F2は、ボケの大きさでは当然RF85mm F1.2Lに敵いませんが、それ以外の性能面ではそれほど変わらないようで、コストパフォーマンスはよさそうです。また、近接性能の高さは大きなアドバンテージですね。

初期EFレンズのEF85mm F1.8との比較では、やはり30年の差は大きいようで、解像力、コントラスト、発色の点でRF85mm F2がかなりリードしているという印象です。