「XF50mmF1.0 R WR」は実に優れた性能で大いに楽しめるレンズ

ePHTOZineに、富士フイルムの大口径中望遠単焦点レンズ「XF50mmF1.0 R WR」のレビューが掲載されています。

Fujifilm XF Fujinon 50mm f/1.0 R WR Lens Review

  • 重さは845グラムと比較的軽く、X-T4とのバランスはとても良好だが、レンズが太いので一部の三脚では雲台の前方にカメラを取り付ける必要がある。
  • 鏡筒は光沢のある美しいブラックで仕上げは素晴らしいが、残念なことに非常に滑りやすい。
  • 最短撮影距離0.7m、最大撮影倍率は0.08倍で、あまり寄れないのは残念だが、これは多くの中望遠レンズに当てはまることだ。
  • AFはDCモーターで、速く正確で静かだが無音ではない。
  • 中央の解像力は絞り全域で素晴らしく、F2.8からF5.6では際立った値(outstanding)になる。隅の解像力は球面収差の影響が見られ、開放では良好な値(good)で、それ以降はとても良好な値(very good)で、F5.6では素晴らしい値(excellent)になる。

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  • 倍率色収差も非常に良好で、中央はわずかに絞るとゼロに近くなり、周辺も1/2ピクセル以下に保たれている。
  • 歪曲は+0.21%の糸巻き型で、まっすぐに近い値だ。画面の端の建築物でも直線は直線のままだ。
  • ボケは見事だ。焦点が合っていない部分は滑らかで階調が美しく、ポートレートの背景に最適だ。
  • フレアは良く抑えられており、光源が画面内にあってもコントラストの低下は見られない。このレンズでフレア・ゴーストを出すにはかなり苦労する。
  • 周辺光量落ちは開放で-1.0EVで、この種の大口径レンズとしては最小限だ。
  • XF50mmF1.0 は実に優れた性能で、特にポートレートに特化した設計だが、他のものが撮れないわけでない。X-T4との組み合わせで使って大いに楽しむことができ、ワクワクするレンズだ。高価なので万人向けではないが、撮影するものの優先順位によっては、手頃と見なすこともできるかもしれない。大いに推薦する。
  • 良い点:素晴らしい解像力、色収差が少ない、フレアが少ない、歪曲が少ない、開放でポートレートフレンドリー、防塵防滴、夜の光源を写りがよい、ボディとのバランスが良好。
  • 悪い点:もう少し寄れればよかった、鏡筒の仕上げが滑りやすい、絞りリングにロック機構がない、このクラスのレンズでは高価。

 

このレンズは解像力よりもボケを優先していて、敢えて収差を残す設計になっているようですが、それでも、開放から周辺部でgoodのレベルに達しているので、F1.0のレンズとしては、解像力の点でも立派な性能という印象です。

価格に関しては確かに安くはないですが、このボケ味が気に入った人には、満足の行く買い物になりそうですね。