富士フイルム「X-S10」は安価で使い勝手のよい、理に適ったカメラ

PhotographyBlogに、富士フイルム「X-S10」のレビューが掲載されています。

Fujifilm X-S10 Review

  • X-S10は、小さなボディによりシンプルなユーザーインターフェースを備えており、通常の富士フイルムの設計とは大きく異なっている。これは、これまでの操作系に躊躇していた人を獲得するための新たな試みだ。
  • X-S10はX-T4より20%軽量で、10%小さいが、非常に大きなグリップを備えている。この大型グリップは、大きな望遠レンズ使用時に安定してホールディングするのに役立つ。
  • 小型軽量のボディだが、造りの品質は非常に素晴らしく、X-T200よりも遥かに高い品質だ。しかし、防塵防滴ではないのが妥協点だ。

  • センサーと画像処理エンジンは、X-T4、X-Pro3と全く同じで、富士フイルムは同じ画質のカメラを3機種提供していることになる。
  • X-S10は、ビギナーや、まだXシリーズに感心を持っていない人にも対応できるようにするために、意図時にシンプルで合理化された操作系を搭載している。上面はモードダイヤルとファンクションダイヤルになり、背面の方向パッドも省略され、よりタッチパネルに依存するインターフェースとなっている。
  • IBIS(ボディ内手ブレ補正)の効果はX-T4には及ばないが、X-H1よりも優れていて、カメラのサイズを考えれば立派なものだ。

  • EVFはX-T30と全く同じだ。X-T4はファインダーサイズが大きくアイカップが付いているので、メガネ使用者にはX-T4の方が使いやすい。
  • 液晶モニタはバリアングルで、ブイログや映像撮影、スチル全般など非常に汎用性が高い。
  • メモリカードスロットはカメラ下側のバッテリー隣にあり、側面にスロットがあるX-T4と比べると不便だ。
  • バッテリーは従来型のNP-126Sなので、X-T4ほど持たないが、USB給電が可能だ。

  • 高感度ノイズは、JPEGではISO6400まではノイズは目につかず、APS-Cセンサーとしてはとても素晴らしい。ISO12800ではシャドー部の彩度が少し低下し、ディテールも減少する。ISO25600と51200はノイズが増えるが、実用にはなる。
  • RAWではノイズがより目立つが、ISO12800まではかなりクリーンに見える。このカメラはRAWでもJPEGでもネイテイブISO(拡張ではない)の全範囲で申し分なく撮影できるが、そのようなカメラはめったにない。
  • JPEGのノイズリダクションはそれほど強いものではなく、ディテールを過度に塗りつぶさない。
  • 富士フイルムのカラーサイエンスはとてもお気に入りで、他社とは異なるカラーフィルターが採用され、とても美しい画像が得られる。

  • X-S10は、X-T4と同じ画質と主要な機能を遥かに安い価格で実現しており、多くの人はX-S10で十分にニーズを満たすことができるだろう。
  • 4K60p 10bitが必要なビデオグラファーや厳しい気象条件に撮影する人、15コマ/秒の連写の恩恵を受けるスポーツ写真家はX-T4に行くべきだが、それ以外の点では、X-S10は小型軽量で安価で使い勝手も良く、多くの人にとって理に適ったカメラだ。
  • 全体として、X-S10は、これまでの画質とカラーサイエンスを維持しながら、Xシリーズに新しい方向性を与えることに成功している。

 

富士フイルムはX-S10でモードダイヤルと大型のグリップを採用して、他社機に近い操作系を導入しましたが、このレビューではこの変更は好意的に受け入れらているようですね。

画質やAFなどの基本性能はX-T4譲りで、高性能なボディ内手ブレ補正も搭載されており、コストパフォーマンスは抜群という印象です。富士フイルム独自の操作性がネックで、Xシリーズの導入を躊躇していた人には、X-S10は非常に良い選択肢になりそうですね。