キヤノンの積層型DPAFセンサーの特許

Canon Newsで、キヤノンのデュアルピクセルAFの積層型センサーの特許が紹介されています。

Canon Patent Application: High Speed Stacked Sensor

  • キヤノンのこの特許出願(特開2021-002807)は、センサーの消費電力を抑えながら動作速度を上げることに焦点を合わせている。センサーの解像度が上がると、消費電力と動作速度が悪化するが、この特許出願では、高解像度で動作が速く、消費電力が低いセンサーの開発を試みようとしている。

    図から分かるように、このセンサーは積層型センサーで、201と202の2つの層が重ねられている。下層にはアナログ値をデジタルに変換するためのADCと、値と黒レベルの補正量を格納するためのメモリが含まれている。

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  • また、この特許出願ではデュアルピクセルAFについても述べられており、下図のフォトダイオード302aと302bは、それぞれのマイクロレンズの下に配置されるペアのフォトダイオードだ。

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  • このようなセンサーが、EOS Rの高画素機に搭載されるのか? それは全く問題ないだろう。DIGIC Xとの組み合わせでは、技術的には80~90MPで10コマ/秒の速度に達する可能性がある。

    個人的にはこのセンサーはEOS R5s(R5の高画素機)には搭載されないと思うが、EOS R1には搭載されるかもしれない。それは、このセンサーがキヤノンがこれまでに生産していたセンサーよりも遥かに高度なセンサーで、開発に更に時間がかかるかもしれないからだ。

    他の全ての特許出願と同様、この特許出願が製品化されるという保証はないが、これはキヤノンが積層型センサーの研究開発を続けていることを示している。

 

キヤノンは裏面照射型センサーや積層型センサーの特許を出願していますが、次世代のカメラでこれらの技術が採用されれば、現在のEOS R5/R6のセンサーから更に性能の飛躍が期待できそうですね。これらの技術が最初に採用されるカメラは、やはりプロ用の高速連写機(R1?)でしょうか。