シグマ「85mm F1.4 DG DN Art」は極めてシャープでボケも美しいレンズ

DigitalCameraWorldに、シグマのEマウント/Lマウント用の中望遠単焦点レンズ「85mm F1.4 DG DN Art」のレビューが掲載されています。

Sigma 85mm F1.4 DG DN Art review

  • 旧型の85mm F1.4 DG HSM Art は全長125mm 1130gと大きく重いので、比較的小さいソニーのカメラとバランスが悪く、明らかにフロントヘビーだった。新しい85mm F1.4 DG DN Artは、完全なミラーレス専用設計で全長94mm 630gと遥かに小型軽量になっていて、ミラーレスカメラでの使用に最適だ。
  • 鏡筒はアルミとTSCを組み合わせた頑丈な造りで、完全にプロ仕様の仕上がりと感触だ。
  • AFは高速で作動音はほとんどせず、顔認識と瞳認識も非常に上手く機能する。

  • 画質は開放から画面の大部分で解像力は抜群だが、隅は旧型のより大きなDG HSMの方がわずかにシャープだ。
  • 周辺光量落ちも開放では旧型よりも目立つが、ポートレートや静物ではこれが効果的なこともある。
  • このカテゴリのレンズは、ボケのクオリティは解像力と同じくらい重要だが、このレンズのボケはバターのように滑らかで、玉ボケの輪郭のとても柔らかく、非常に高得点だ。玉ボケでよく見られる年輪ボケの問題も見られない。絞りが11枚羽根の円形絞りなので、絞っても玉ボケは良好に維持されている。

  • 色収差は、倍率色収差と軸上色収差のいずれも画面全域で四隅に至るまで、驚くほど少ない。
  • ゴーストやフレア耐性は非常に優れている。
  • 唯一の不満点は旧型のDG HSMは歪曲がほとんど無かったのに対し、DG DNは顕著な糸巻き型の歪曲が見られるということだが、これは自動補正や後処理で容易に修正できる。
  • ラボテスト(解像力):中央は並外れた解像力で、開放でも優れた解像力が維持されている。開放付近の隅の解像力はそれほど高くないが、これは通常は問題にならないだろう。

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  • ラボテスト(色収差):倍率色収差は非常に少なく、軸上色収差もごくわずかだ。
  • ラボテスト(歪曲):スコア3.54の糸巻き型で、建築写真では目立つ場合があるが、ポートレートでは問題ない。歪曲は規則的なので後処理での補正は容易だ。

  • このレンズは見事な解像力とコントラストで、色収差は少なく、美しいボケを備えた優れた画質だ。大口径の85mmとしては、比較的コンパクトで軽量なので、使って楽しめるレンズだ。コストパフォーマンスも非常に優れている。
  • 良い点:極めてシャープだが美しいボケ、クリック解除可能な絞りリング、便利なフォーカスホールドボタン、比較的コンパクトで軽量。
  • 悪い点:糸巻き型の歪曲が目立つ、開放時の周辺光量落ち。

 

85mm F1.4 DG DN Art は、DG HSMよりも大幅に小型化しているにもかかわらず、優れた解像力とボケ味を実現していて、加えて色収差も良く抑えられていますね。実写でもシャープでヌケの良い画質で、非常に訴求力の高い製品に仕上がっているという印象です。