ソニー「FE 50mm F2.5 G」は良くまとまったレンズだが他にも多くの選択肢がある

LensTipに、ソニーの新しいコンパクトな標準単焦点レンズ「FE 50mm F2.5 G」のレビューが掲載されています。

Lens review Sony FE 50 mm f/2.5 G

  • このレンズはこのクラスのEマウントレンズで最小とは言えないが、最軽量だ。コンパクトで可搬性に優れると宣伝されているが、それほど小さいレンズではない。
  • フォーカスリングは電子式だ。回転角は回す速さにもよるが約150~160度で、正確なピント合わせができる。

  • 中央の解像力は開放から高く、絞ると70lpmmを大きく超え(良像の基準値は39~41lpmm)、F4でピークの76lpmmに達する。この解像力はシグマ45mm F2.8 DG DNを大きく超えており、ソニーのFE55mm F1.8とFE50mm F1.8にも優っている。
  • 解像力は中心から離れると急速に低下する。F2.5とF2.8では良像の基準値のボーダーライン上で、絞ると改善するが、50lpmmは超えない。ここではシグマ45mm F2.8が少し良好だ。

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  • 軸上色収差は、EDレンズ1枚だけでは恐らく補正が十分ではなく、影響は見られるが、それほど激しくはない。1段絞れば軸上色収差はほぼ解消する。ここではFE55mm F1.8より優れている。
  • 倍率色収差は0.01~0.02%の無視できるレベルで、この結果はとにかく素晴らしい。拍手!
  • 球面収差は、前ボケと後ボケは同一ではないが、大きな問題はなく、フォーカスシフトも見られない。

  • 歪曲はJPEGでは自動補正され-0.07%でほとんどゼロだ。RAWでは+0.91%の糸巻き型で、伝統的なガウスタイプのレンズ(歪曲は約2%)よりも小さく、全く問題はない。歪曲はFE50mm F1.8の+1.48%より小さいが、FE50mm F1.8の-0.71%よりは大きい。
  • 歪曲は、他の2本のGレンズ(24mmと40mm)同様に自動補正を無効にできない。このレンズは自動補正に頼らなければならないほど歪曲が大きくないので、このような仕様になっているのは理解に苦しむ。

  • コマ収差は開放では見られるが影響は小さく、ここではFE55mm F1.8とFE50mm F1.8よりも顕著に優れている。
  • 非点収差は2.6%の非常に低いレベルで、問題はないと言える。
  • 玉ボケはわずかに年輪ボケが見られるが、かなり良好に見える。口径食は開放では非常に目立つが、2段絞ると解消する。

  • 周辺光量落ちはAPS-Cではわずかだが、フルサイズでは開放で55%(-2.29EV)、F2.8で46%(-1.80EV)、F4で38%(-1.37EV)で、かなり大きくなる。
  • 逆光耐性は非常に良好で、ゴーストが目立たないだけでなく、画面全体のコントラストも高いレベルで保たれている。
  • AFは最短から無限遠まで0.4~0.5秒と非常に速く、作動音は全くしない。AFの的中率はスタジオでも屋外でも98%で、AF精度に文句はない。

  • FE50mm F2.5 G は良くまとまったレンズで、手に入れればその性能を楽しめるだろう。最大の問題は価格と、同じソニー製レンズに多くのライバルが存在することで、FEの50mm F2.5 Gと同じ価格で、より明るいFE55mm F1.8 ZAを購入できる。また、予算が限られている人は安価なFE50mm F1.8に惹かれるかもしれない。
  • 現在、40~55mmのAFのフルサイズ対応Eマウントレンズが1ダース以上あり、安価で明るいレンズが数多くあるので、40mm F2.5 Gと50mm F2.5Gは、それほど人気がでないのではないかと心配している。

  • 良い点:しっかりとした防塵防滴構造、中央の素晴らしい画質、倍率色収差がほぼゼロ、歪曲が穏やか、適切に補正されたコマ収差、非点収差が無視できる、非常に優れた逆光耐性、非常に速く静かで正確なAF。
  • 悪い点:いくらか軸上色収差に問題がある、周辺光量落ちが大きい、法外な価格。

 

FE 50mm F2.5 G は開放から十分な解像力で大きな欠点もなく、小型軽量化を優先したレンズとしてはとても良好な性能という印象です。ラボテストは、全体的に40mm F2.5 Gと同じような結果ですが、実写ではボケが綺麗で二線ボケが目立たない分、50mm F2.5 Gの方が得手不得手が少ないような気がします。