ニコン「Z 24-200mm f/4-6.3 VR」は多くの高倍率ズームが苦手としている望遠側の性能も良好に維持されている

ePHOTOzineに、ニコンの高倍率ズーム「Z 24-200mm f/4-6.3 VR」のレビューが掲載されています。

Nikon Nikkor Z 24-200mm f/4-6.3 VR Review

  • このレンズの重さは570グラムで比較的軽量コンパクトだ。鏡筒は軽量化のために高品質なプラスチックに頼っているが、造りは良好だ。
  • ズームリングは重めで滑らかに動く。フォーカスリングは電子式で、動きは絹のように滑らかだ。
  • 最短撮影距離は24mmで0.5m、200mmで0.7m、最大撮影倍率は0.28倍と有用だ。距離目盛りと被写界深度目盛りはない。

  • 24mmの解像力は、中央はF4からF8で際立った値(outstanding)で、F11とF16では素晴らしい値(excellent)だ。隅はF4で良好な値(good)、F5.6からF11でとても良好な値(very good)だ。

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  • 50mmの解像力は、中央はF5.6からF8で際立った値(outstanding)で、F11では素晴らしい値(excellent)だ。隅はF5.6からF11で素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 105mmの解像力は、中央はF6.3からF11で素晴らしい値(excellent)で、隅はF6.3でとても良好な値(very good)、F8とF11で素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 150mmの解像力は、中央はF6.3からF11で素晴らしい値(excellent)で、隅はF6.3でとても良好な値(very good)、F8とF11で素晴らしい値(excellent)だ。

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  • 200mmの解像力は、中央はF6.3からF11で素晴らしい値(excellent)で、隅はF6.3からF11でとても良好な値(very good)だ。

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  • 倍率色収差は自動補正無効で測定した。中央は色収差はほとんどゼロで、隅も非常によく補正されているが、200mmではいくらか色ズレが目立つかもしれない。
  • 歪曲は24mmで+0.21%、200mmで+0.05%と極めて小さく、実質的にまっすぐだ。これは自動補正が有効になっていて(無効に設定できない)ためだと考えられる。
  • ボケはとても心地よいもので、特に望遠側では心地よい。

  • 逆光耐性は素晴らしく、通常ほとんどフレアは見られない。極端に厳しい条件では、ゴーストが発生することがあるが、ゴーストを出すのはかなり大変だ。
  • 周辺光量落ちは見られる(24mm開放で-2.8EV、200mm開放で-1.8EV)が、これは多くの高倍率ズームレンズよりも優れている。
  • このレンズは非常にしっかりとした優れた性能だ。極めて高解像力の部分は画面の中央が中心だが、隅の解像力も十分に保たれている。多くのレンズが苦手としている望遠側の性能も維持されている。

  • このレンズは性能の点で良い部分と悪い部分があるが、軽量コンパクトで防塵防滴で、優れた性能を持っており、汎用性の高い旅行用ズームとしては欠点を補って余りあるほど非常に便利なレンズであることは間違いない。
  • 良い点:中央の際立った解像力、フレアが見られない、中央の色収差は事実上ゼロ、軽量コンパクト、速く静かなAF、静かな絞りの制御、素晴らしいボケ、近接性能、耐候性、優れた手ブレ補正。
  • 悪い点:レンズが暗い、200mmの隅の色収差(補正は可能)、周辺光量落ち(補正は可能)、歪曲(補正は可能)。

 

このレンズは中央の解像力がズバ抜けて高いので、相対的に広角端の隅の解像力が低目に見えますが、それでも開放でgoodのレベルをクリアしているので、高倍率ズームとしてはズーム全域で十分以上の性能と言ってよさそうです。また、高倍率ズームが苦手としている望遠端で解像力があまり落ちないのは素晴らしいですね。

実写では、シャープでコントラストも高く、ズームとしてはボケも綺麗で、一昔前の高倍率ズームとは一線を画す性能という印象です。