パナソニックのカメラ事業は今後動画を更に強く打ち出していく

ITmedia NEWS に、パナソニックのカメラ事業の現状と今後の戦略に関する記事が掲載されています。

パナソニックのカメラ撤退はあり得るか

  • 2020年度の連結業績発表でカメラとテレビの苦戦が伝えられ、経済誌を中心にパナソニックのコンシューマーカメラ事業に対する風当たりが強まっている。
  • 2020年度はコロナ禍の影響で苦戦を強いられたのは事実だろう。しかしLUMIXの名前は2001年からもう20年も続いており、エントリーからハイエンドに至るまでを貫く、強いブランドで手放すには惜しい。

  • 今デジタルカメラ業界は、フルサイズミラーレスによるハイエンド化で生き残ろうとしているが、LUMIXというブランドは、小型大衆機のイメージが強い。パナソニックも同様に、ハイエンド化で生き残ろうという戦略であれば、フルサイズ機はLUMIXブランドから離れるべきだった。
  • イメージセンサーはヌヴォトンテクノロジーに売却してしまったので、これまでLUMIXは、独自開発のLiveMOSセンサーを搭載してきたが、今後センサーは他社調達になる。最新のセンサーはなかなか搭載しづらいだろう。ただ、周回遅れでも十分なセンサーはたくさんあり、低価格化路線へシフトしやすくなるのも事実だ。
  • パナソニックのカメラ事業は他のメーカーと戦略が違いすぎて、単純に比較することができない。一番フラットな比較が売上やシェアで見ることなのだろうが、その立場から見れば「もう売ってしまえ」ということになるだろう。

  • 5月26日には「GH5 II」を発表、さらには年内に「GH6」の発売を発表した。どちらもビデオグラファー向けに「動画機」として投入していく。常識的に考えれば、新製品発表と同時に次期モデルを開発発表したら、買い控えが起こるのではないかと思われるが、LUMIXの健在を示すために発表を急いだとも考えられる。
  • パナソニックのデジタルカメラ事業は今後、写真と動画のポジションが入れ替わる勢いで動画性能をより強く打ち出していくだろう。ビデオブログやライブ配信、リモート会議など、動画需要は伸びしろが大きい分野だからだ。その点ではLUMIXをいつまでも写真機として見ているわれわれの方が、もう頭が古いのかもしれない。

 

決算等の情報からパナソニックのカメラ事業は厳しいという見方もあるようですが、先日、GH5IIとGH6、25-50mm F1.7などの力の入った新製品群が発表されており、パナソニックとしては憶測を打ち消すために、今後もカメラを続けていくという明確な意思表示をしたかったのかもしれませんね。

記事では、今後はスチルと動画のポジションを入れ替える勢いで動画重視の戦略になると述べられていますが、確かに、今回発表された新製品はいずれも動画志向の製品で、また、現在噂が流れている新製品も動画向けのS1HIIなので、パナソニックは今までよりも更に動画志向を強めてくる可能性は高いかもしれません。