富士フイルム「XF18mmF1.4 R LM WR」は高い金額に見合う価値のあるレンズ

DPReview に、富士フイルムの新しい広角単焦点レンズ「XF18mmF1.4 R LM WR」のフィールドテストが掲載されています。

Field review: Fujifilm XF 18mm F1.4 R LM WR

  • 18mm F1.4はパンケーキの18mm F2に比べると大きいが、F1.4としてはかなりコンパクトで、XF18-55mmF2.8-4と同程度の大きさだ。X-E4のような小さいボディでは、少しフロントヘビーになるかもしれないが、X-T3/4やX-S10とのバランスは良好だ。
  • 鏡筒は金属製で、手に持った感触は実にしっかりとしている。
  • 絞りリングは1/3段ごとにクリックがある。フォーカスリングは滑らかに動くが、どちらのリングも私の好みからすると少々軽すぎる。また、16mmF1.4のようなフォーカスクラッチは搭載されていない。

  • フォーカスリングはリニアとノンリニアの2つのモードがあり、リニアモードは回転角が非常に短くなるため、MFでのピント微調整はほぼ不可能だ。
  • AFは富士の広角単焦点で初のリニアモーターで非常に速く静かなので、動画用にも良好だ。フォーカスブリージングは若干見られるが、かなり良く補正されている。
  • 解像力は開放から中央は極めて良好で、隅もかなり良好だ。F4まで絞ると中央の改善はわずかだが、隅の解像力は大幅に改善する。隅にピントを合わせても、中央にピントを合わせた時とそれほど解像力はかわらず、像面は非常にフラットなことが分かる。

  • ボケは、2本のテストレンズのうちの1つは、玉ボケに年輪ボケや輪郭が見られず非常に綺麗に見えたが、もう1本は、ハイライトに煩わしい模様が出てボケが汚く見えた。これらのレンズはプリプロダクションモデルなので、ボケについては明確な評価をすることができない。
  • 逆光では、厳しい条件では画面が白くなるフレアと若干のゴーストが現れることがあるが、それほど悪くはない。ゴーストは絞るほど明確になる。
  • このレンズは絞り込むと素晴らしい光芒が得られる。

  • 倍率色収差は光学的に十分に補正されおり、残った収差も自動補正でほぼ完全に取り除かれている。
  • 軸上色収差はいくらか残っており、前ボケにマゼンタ、後ボケに緑の色が付くものの、良く補正されており、色収差が見られるのは開放時だけで実写では通常は問題にならないだろう。

  • 18mmF1.4はコンパクトでしっかりした画質を実現している。AFは速く静かで、ジンバルへの搭載に適した重量なので、動画用にも適しているが、唯一の懸念はフォーカスリングをリニアモードに設定すると回転角が小さすぎてピントの微調整が難しいことだ。
  • 画質は開放からシャープで、ボケも心地よく、色収差も最小限の抑えられている。このレンズは散策用のレンズとして最適で、XF18mmF2よりも高い金額を払うだけの価値のあるレンズだ。

  • 好きな点:18mm F1.4としてはかなりコンパクト、丈夫な造りで防塵防滴仕様、速く静かなAF、開放時に隅まで高解像力、色収差が最少限、大部分の収差は十分に抑えられている、絞り込んだ時の光芒。
  • 好きではない点:リニアモードでフォーカスリングの回転角が小さいので正確なMFが困難、フレアやゴーストが発生しやすい。

 

富士フイルムのXF18mmF1.4は設計が新しい分、16mmF1.4や23mmF1.4よりも更に高性能化され、開放からシャープなより現代的なレンズになっているという印象です。

今回のテストではテストした2本のうちの1本はボケがうるさかったということですが、各所のサンプルを見る限りでは、ボケは広角レンズとしては綺麗に見えるので、ボケがうるさいレンズの方は調整不足だった可能性が高そうです。

また、マニュアルフォースに関しては、スチルメインの方はノンリニアモードを使えば問題なさそうですが、動画でMFを多用する方は、リニアモードの挙動をよく確認してから購入した方がよさそうですね。