タムロン「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD」はこのクラスで最もバランスの取れた性能

SonyAlphaBlogに、タムロンのEマウント用の超望遠ズーム「150-500mm F/5-6.7 Di III VC VXD(Model A057)」のレビューが掲載されています。

Tamron 150-500mm f/5-6.7 Di III VC VXD

  • 鏡筒の造りとエルゴノミクスは非常に優れており、28-75mm F/2.8 Di III RXDから、大きく進化している。このレンズは重量はあるが、望遠端500mmのズームとしてはかなりコンパクトで、通常サイズのカメラバッグに収まる。
  • ズームリングは非常に大きく回しやすいが、フォーカスリングはかなり細い。
  • テレコンバーターは、ソニーがEマウントのサードパーティー製テレコンバーターの販売を許可していないため利用できない。

  • AFは速く静かで、特定の状況を除いては概ね非常に優れている。
    - 静止した被写体:AFは素晴らしい
    - 長い距離動いている被写体:AFはとても良好
    - こちらに向かってくる被写体:AFはとても良好
    - 左右にランダムに動く被写体、高速のパンしながらの撮影、走っている人、近距離の自転車ではAFは30%フォーカスを外す

  • 解像力は61MPのα7R IVでも一貫してとても良好な結果で、24MP、42MP、50MPでは素晴らしい結果だ。150mmから300mmでは1段絞ったところで、500mmでは開放時に最高の解像力が得られる。

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  • 歪曲は150-300mmでは糸巻き型がかなり目立つが、500mmでは目立たなくなる。
  • 周辺光量落ちは開放では見られるが、F8で大幅に改善し、F11で解消する。
  • 色収差は少ない。
  • 逆光耐性は良好だが、際立ってはいない。

  • F16まで絞ると光芒が現れるが、最高の光芒とは言えない。
  • 玉ボケは開放では非常に優れた描写だが、1段絞ると絞りの7角形が現れる。背景のボケは柔らかくクリーミーでとても良好だ。
  • 発色は非常に良好だ。
  • 動画は解像力に優れ、背景のボケは滑らかで、色再現も自然だ。AFと手ブレ補正も良好に動作するが、300mm以上で撮影する場合は一脚がとても有用だ。

  • このレンズのサイズはソニーFE100-400mm F4.5-5.6 GMやシグマ100-400mm F5-6.3 DG DNとほとんど同じだ。重量はあるが、FE200-600mm F5.6-6.3 Gよりは軽い。
  • AFに関しては、シグマ100-400mmは後れを取っており、タムロンは多くの状況で非常に優れているが、不規則な動きは苦手だ。AFはソニーが最も優れている。またソニーのレンズはテレコンに対応しているのが強みだ。
  • ライバルとの解像力の比較では、どのレンズも非常に良好だが、タムロン150-500mmが最も一貫性が高く、恐らく一番バランスが取れた性能だ。

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  • 結論:タムロン150-500mm F5-6.7は使い勝手がとても優れているが、ソニーやシグマのレンズに搭載されているフォーカスホールドボタンが無いのは残念だ。画質は解像力は非常に優れており、背景のボケは柔らかく、色再現も優れている。AFは全体的に非常に優秀だが、近距離の不規則な動きは例外だ。
  • FE200-600mm F5.6-6.3 G OSS:極めてAF性能が良く解像力に優れ、伸びないレンズが必要で、テレコンが使いたい人に。
  • シグマ100-400mm F5-6.3 DG DN OS:最も安価なレンズで、400mmで高画質。AFはタムロンの方が少し優れている。
  • ソニーFE100-400mm F4.5-5.6 GM OSS:良いレンズだが、画質では他のレンズより優れているわけではないので、2900ユーロは高すぎる。

 

タムロン150-500mm F/5-6.7はこのクラスのライバルをしのぐ解像力で、大きさや価格を考えると申し分のない性能という印象です。ただ、動体のAFに関してはソニーの100-400mmや200-600mmには及ばず、また、テレコンも使用できないので、動体メインの方には悩ましいところかもしれませんね。