ニコン「Z MC 105mm f/2.8 VR S」は全方位に渡って極めて高性能なレンズ

DigitalCameraWorld に、ニコンの新しい望遠マイクロレンズ「Z MC 105mm f/2.8 VR S」のレビューが掲載されています。

Nikon Z MC 105mm f/2.8 VR S review

  • フォーカシングはインナーフォーカスで、レンズの全長は変わらない。
  • AFは極めて速く、作動音はほとんどしない。AF精度はマクロ域でも一般的な撮影でも一貫して正確で、AF性能は驚くほど高い。
  • VRシステムは素晴らしく、4.5段分の効果を発揮するが、他のマイクロレンズと同様、近接撮影では効果が低下する。
  • 鏡筒は防塵防滴で、プログレードレンズの感触だ。フォーカスリングは電子式で、近接撮影でしばしば必要となる極めて微細なピント調整が可能だ。2020年10月以降に登場したZマウント機との組み合わせでは、フォーカスリングの回転方向を逆する便利なカスタマイズ機能が使用できる。

  • 最短撮影距離でのワーキングディスタンスは15cmで、ワーキングディスタンスが5cmしかないZ MC 50mm f/2.8よりも遥かに実用的だ。
  • 画質は壮麗なもので、極めてシャープなだけでなく、最高レベルのシャープさが画面の中央から四隅まで維持されている。軸上色収差と倍率色収差は、ほとんど見られず、歪曲はごくわずかで自動補正なしでも実写では分からない。
  • ボケは滑らかで心地よい。

  • ラボテスト(解像力):絞り値にかかわらず、画面の中央だけでなく隅までシャープなのが印象的だ。

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  • ラボテスト(色収差):自動補正を無効にしても、軸上色収差と倍率色収差は、ほとんど見られない。
  • ラボテスト(歪曲):歪曲は-0.6のタル型で、ほとんど分からない大きさだ。

  • Z MC 105mm f/2.8 VR Sは一般的な撮影でも接写でも極めて高画質で、超高速・高精度なAFと相まって、スポーツやポートレート、風景、クローズアップまであらゆる被写体に見事に対応する用途の広いレンズだ。洗練されたハンドリングと、多くのカスタマイズ機能を備えた頑丈なレンズで、これまで見てきたZレンズのなかで、最高のレンズの1つだ。
  • 良い点:全方位に渡って見事な性能、プログレードの造りとハンドリング、4.5段分の効果のVR。
  • 悪い点:Z MC 50mm f/2.8よりも50%高い(高いだけの価値は十分ある)。

 

Z MC 105mm f/2.8 VR S は開放から画面全域で極めて解像力が高く、加えてボケも綺麗でAF精度も優秀で、申し分の無い性能のマイクロレンズという印象です。最近のミラーレス用のハイエンドレンズとしては、比較的価格が抑えられているのもポイントが高いですね。