OMDS「ED 8-25mm F4.0 PRO」はコンパクトで高性能な万能レンズ

ePHOTOzineに、OMデジタルソリューションズの広いズーム域を持つ標準ズーム「ED 8-25mm F4.0 PRO」のレビューが掲載されています。

Olympus M. Zuiko 8-25mm F/4.0 Pro Lens Review

  • 鏡筒は安心感のある頑丈な造りで、重さは411gと軽く、IPX1規格の防水性をうたっている。防滴性能を具体的に示している点は評価したい。
  • AF/MFはフォーカスリングを押す/引く操作で切り替えることができるが、意図せずにMFに切り替わってしまうことがある。AF/MFの切り替えは、誤操作を防ぐためにもう少し硬めにした方がいいかもしれない。それ以外の操作性は申し分ない。
  • 最大撮影倍率は0.21倍(換算0.42倍)で、この近接性能は便利で、このレンズの汎用性を高めている。
  • 使用する前にズームリングでレンズを繰り出す必要があるが、ズームリングは非常に滑らかでひっかかりはなく、繰り出してもぐらつきは見られない。
  • AFはリニアモーターを使用しており、静かで速く、確実に合焦する。

  • 8mmの解像力は、中央はF4からF8まで素晴らしい値(excellent)で、F11ではとても良好な値(very good)だ。隅はF4では素晴らしい値(excellent)で、F5.6とF8ではとても良好な値(very good)だ。ここでは絞り込むと解像力が大きく低下する小型センサーの欠点も示されており、F22の絞りの価値があるのかは疑問だが、撮影者に選択肢を与えることにはなるだろう。

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  • 10mmの解像力は、中央はF4で際立った値(outstanding)、F5.6とF8で素晴らしい値(excellent)で、F11ではとても良好な値(very good)だ。隅はF4からF8でとても良好な値(very good)で、F11では良好な値(good)だ。

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  • 18mmの解像力は、中央はF4からF8で素晴らしい値(excellent)で、F11ではとても良好な値(very good)だ。隅はF4からF8で素晴らしい値(excellent)で、F11ではとても良好な値(very good)だ。

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  • 25mmの解像力は、中央はF4からF8で素晴らしい値(excellent)で、F11ではとても良好な値(very good)だ。隅はF4からF5.6で素晴らしい値(excellent)で、F8とF11ではとても良好な値(very good)だ。

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  • 倍率色収差は可能な限りの自動補正を無効にして測定したが、結果は非常に素晴らしく、色収差が問題になることはなさそうだ。
  • 歪曲は8mmで-1.06%のタル型で、広角レンズとしてはとても良好だ。10mmでは-0.04%のわずかな大きさになり、18mmでは全く歪曲は見られなず、25mmでも-0.01%の取るに足らない値だ。歪曲はズーム全域で素晴らしい値だ。
  • ボケは滑らかでうるさくはなく良好だ。
  • 逆光では、画面内に明るい光源がある場合はゴーストが発生しやすいが、ゴーストのサイズは非常に小さい。また、コントラストの低下は見られない。
  • 周辺光量落ちは8mm F4で-1.3EV、25mm F4で-1EVとズームレンズとしては良好だ。

  • 8-25mm F4はコンパクトで性能も良く価格も手頃なまさに万能レンズで、旅行用レンズの有力候補になるだろう。近接性能が高いのも魅力だ。唯一の制約は、センサーの小さいm4/3フォーマットのため、あまり絞れないことだが、F8か場合によってはF11まではシャープな画像が得られる。被写界深度も深いので背景をぼかしたい人にも向いていない。深い被写界深度が欲しい人は満足するだろう。
  • 良い点:F8までは素晴らしい解像力、色収差の良好な補正、歪曲が非常に小さい、周辺光量落ちが穏やか、防塵防滴、高速で静かなAF、小型軽量。
  • 悪い点:絞り込むと回折の影響が大きい、フォーカスリングのAF/MFの切り替えが軽い、逆光時のゴースト。

 

8-25mm F4は超広角から標準までカバーする広いズーム域にもかかわらず、ズーム全域で開放から画面の隅まで見事な性能で、広角ズームが苦手とすることの多い望遠端でも解像力が落ち込まないのはポイントが高いですね。

色収差も非常によく補正されているようですが、歪曲に関しては広角ズームとしては小さすぎるので、自動補正が無効になっていない(倍率色収差の項目で自動補正は全てOFFと述べられていますが)ような気がします。