ePHOTOzineに、コシナのXマウント用の大口径標準単焦点レンズ「フォクトレンダー NOKTON 35mm F1.2 X-mount」のレビューが掲載されています。
・Voigtlander 35mm f/1.2 Nokton X Lens Review
- このレンズの最初の印象は、非常に美しい金属鏡筒で、ライカのレンジファインダーレンズに近い非常に小さいレンズだと感じた。重さはわずか196gで、X-S10のバランスは完璧で、とても美しく見える。
- 絞りリングは1/3段ごとにクリックがあり、クリックを解除することはできない。フォーカスリンスはしっかりしていて滑らかに動く。
- マウントには電子接点があり、EXIF情報をカメラに送ることができる。
- 絞りは惜しみのない12枚羽根で、非常に滑らかなボケが期待できる。
- 中央の解像力はF1.2では比較的ソフトで、F1.4では良好な値(good)、F2でとても良好な値(very good)、F2.8からF11までは素晴らしい値(excellent)になる。隅はF1.2とF1.4で甘く、F2からF11ではとても良好な値(very good)になる。
- 倍率色収差は、把握している限りの自動補正を無効にして計測した。中央の色収差はほとんど見られず、周辺部も非常に良く補正されている。フリンジ(色ズレ)は非常に少なく、色収差は通常の状況では目立たない。
- 歪曲はわずか+0.14%の糸巻き型で、ほとんど全ての状況で気が付かない程度の大きさだ。
- ボケはF1.2やF1.4などの小さい絞り値ではとりわけ心地よく、ポートレートではソフトで美しい写真が撮れる。絞ってもボケは良好だが、当然ながら開放付近ほど良くはない。
- 逆光では派手なフレアが発生することがあり、画面内に光源が入ると、色とりどりの円形のゴーストが多数現れる。日常的な使用ではフレアは問題にならないが、フレアは簡単に出せるので劇的な効果を得ることができる。この逆光耐性の弱点は、クリエイティブな写真を撮るのに活かすことができ、これが簡単にできるレンズは多くはない。
- 周辺光量落ちは、コンパクトで明るいレンズでは大きくなることが多いが、このレンズは周辺光量落ちは穏やか(開放で-1.1EV)で非常に優れている。
- Xマウントの35mmレンズは激戦区だが、NOKTON 35mm F1.2は優れた性能に加えて、解像力や色収差などの数値では測れない個性を併せ持っているレンズだ。このレンズは、そのレトロな外観に相応しい独自のキャラクターを持っており、レビューで述べた欠点が撮影者のスタイルに合うならば、期待を裏切らないレンズだろう。そうでなければ、他にも多くの選択肢があるはずだ。
- 良い点:大部分の絞り値で素晴らしい解像力、色収差の良好な補正、周辺光量落ちが穏やか、歪曲がほとんどゼロ、小型軽量、美しい伝統的な造り、素晴らしい被写界深度目盛り、F1.2の明るさ、個性的。
- 悪い点:開放付近でソフト、強いフレア、防塵防滴ではない、マニュアルフォーカスは万人向きではないかもしれない。
NOKTON 35mm F1.2 X-mountは開放付近はかなりソフトで、昔の標準レンズを思わせる懐かしい描写ですね。最近は開放から一貫してシャープなレンズが多いので、絞りによる描写の変化を楽しみたい人にはいいレンズかもしれません。
また、逆光ではかなりフレアやゴーストが出るようですが、これも分かった上で使う分には楽しめそうですね。
シャトー
解放付近でのソフトな描写を期待して注文しました。星景写真としては画角が狭いですがソフトフィルターなしで星が滲むか試したいと思います。
ポロ&ダハ
非球面レンズを使わないというのは、コニカ1999年に発売したHEXANON (L) 60mm F1.2に共通するテイストがありそうですね。