OMDS「ED 12-45mm F4.0 PRO」は小さいサイズで高性能を実現しているが広角端の解像力は今ひとつ

OpticalLimitsに、OMデジタルソリューションズのF4通しの標準ズーム「ED 12-45mm F4.0 PRO」のレビューが掲載されています。

Olympus M.Zuiko ED 12-45mm f/4 PRO - Review

  • 小型のズームレンズはプラスチック鏡筒で造りも凡庸なものが多いが、このレンズはそのようなことはなく、鏡筒は金属製で、ズームリングもフォーカスリングも滑らかに動く。
  • AFは非常に高速で、作動音もしない。マニュアルフォーカスはバイワイヤ(電子式)で、これは素晴らしい出来で非常に正確なピント合わせが可能だ。AF/MFの切り替えスイッチはなく、フォーカスクラッチ機構も搭載されていない。

  • 歪曲は自動補正され12mmで1.1%のタル型だが、これはほとんど気にならない。未補正のRAWでは歪曲は12mmで6.2%と極めて大きく、補正なしでは実用的ではない。
  • 周辺光量落ちも自動補正されるが、それでも12mm開放では0.81EV、45mm開放では0.62EVでいくらか周辺光量落ちは見える。未補正でも周辺光量落ちは大きくなく(12mmで1.11EV、45mmで0.67EV)、自動補正はそれほど強くかかっていない。

  • 中央の解像力はズーム全域でF4とF5.6では素晴らしい値だ。周辺や隅の解像力は、12mmでは大きな歪曲を自動補正しているために解像力に影響が出ている。歪曲がそれほど強くないズーム域では、周辺や隅の解像力は非常に良好だ。像面の湾曲は通常の撮影距離では小さかった。

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  • 倍率色収差は平均0.5ピクセル以下と非常に少ない。絞り込むと倍率色収差は若干増えるが、目に付かない大きさだ。
  • このレンズは寄れば背景をボカすのは不可能ではないが、ボケが目的でこのレンズを購入するのは間違っている。玉ボケは内部がかなりうるさく、輪郭も目立ち、絞ると絞りの形状も見える。しかし、正式なテストはしていないが、サンプル画像で見られるように後ボケは満足行くものだ。

  • ED12-40mm F2.8 PROと画質を比べると、12mmではわずかにF2.8 PROの方が優れている。
  • ED12-45mm F4 PROは高性能を小さなサイズで実現している。解像力はズーム全域で弱点は見られないが、12mmの周辺部と隅はもう少し高い解像力が欲しいところだ。このレンズの暗さは議論を呼んだが、明るさを求める人はED12-40mm F2.8 PROを使えばいい。しかし、小型のカメラとの組み合わせで携帯性を求めるなら、ED12-45mm F4 PROにメリットがあるだろう。特にアウトドア派はこのようなレンズを歓迎するかもしれない。

 

光学性能の評価は5点満点中3.5点で、まずまずの評価となっています。このレンズは広角端で周辺部の解像力がそれほど高くなく、際立った性能というわけではありませんが、軽量コンパクトな割りには優秀で、機材を軽くしたい人には歓迎されそうですね。

OMDSのロードマップに掲載されているコンパクトな望遠ズームED40-150mm F4 PROと組み合わせると、非常に小型軽量なシステムが組めそうです。